被害男性、第2の人生暗転 京都・向日殺害事件
遺体から青酸化合物が検出された京都府向日市鶏冠井町大極殿の筧勇夫さん=当時(75)=は、大手電機メーカーを退職後、趣味のゴルフや旅行を楽しむ生活を送っていた。筧さんの親族や知人らは結婚直後の筧さんの死を悼んだ。
■親族や知人、結婚直後の死悼む
親族らによると、筧さんは60歳の定年まで技術職として働いた。倹約家で4人のきょうだいと仲が良く、退職後も年2回ほど一緒に名所や温泉巡りを楽しんでいたという。知人の元には筧さんが亡くなった直後の元旦に年賀状が届いたという。親族(73)は「亡くなった日も(殺人容疑で逮捕された妻の千佐子容疑者と)餅つきをし、正月用のおせち料理も頼んでいたと聞いていたのに」と声を落とした。
元同僚の男性(74)は「孤独死したらあかんからそばにいてくれる人を探せよ」と忠告すると、筧さんは「財産目当ての人もおり、結婚には簡単に踏み切れない」と答えたという。
元同僚が筧さんと会ったのは昨年11月。「80歳でコロリと逝けるよう頑張ろう」と冗談を言う朗らかな筧さんの姿が最後となった。「悩み事があれば私に必ず言うはず。健康にも気を遣い、持病もないと聞いていた。自殺の可能性はないと信じている」
【 2014年11月20日 09時50分 】