婚歴偽り相談所登録、入籍前後も見合い 青酸事件容疑者
京都府向日市鶏冠井町で昨年12月、筧勇夫さん=当時(75)=が青酸化合物で殺害されたとされる事件で、京都府警捜査本部(向日町署)に殺人容疑で逮捕された妻の千佐子容疑者(67)が、筧さんと知り合うきっかけになった結婚相談所に「婚歴は2回」とする事実とは異なる登録を続けていたことが20日、捜査関係者らへの取材で分かった。実際は筧さんとの結婚前に3回結婚し、いずれの配偶者とも死別していた。府警は千佐子容疑者が結婚歴を偽って筧さんに近づいた可能性もあるとみて調べている。
捜査本部によると、千佐子容疑者は「私は絶対に殺していません」と容疑を否認しているという。
関係者によると、千佐子容疑者は奈良県内の結婚相談所に2007年に入会。同相談所では、過去に結婚した回数を申告する決まりだったが、千佐子容疑者の登録は結婚は2回だけとなっていたという。昨年6月の筧さんとの見合いには相談所の仲人の立ち会いを断ったという。
捜査関係者らの説明では、千佐子容疑者は大阪市内の結婚相談所を介し、筧さんとの入籍(11月1日)を控えた昨年10月に80代男性と、結婚後に70代男性と大阪市内で見合いをし、筧さんが死亡する直前の12月中旬には「年金収入がある」「子どもがいない」の条件を前提に同相談所に別の男性の紹介を依頼していた。また、筧さんの四十九日法要が終わらないうちに別の結婚相談所を通じ、複数の高齢男性と知り合っていたという。
千佐子容疑者は、1994年に大阪府貝塚市の最初の夫=当時(54)=と死別した。結婚相談所を通じ、約10年後に兵庫県西宮市の男性と、2008年ごろには大阪府松原市の男性と結婚したが、2人とも結婚直後に死亡した。千佐子容疑者は取材に対し、「いずれも病死だった」などと事件の関与を否定していた。
捜査本部は20日午後、千佐子容疑者を送検した。自宅の捜索は21日も行う。
【 2014年11月21日 08時45分 】