各地で火山活動活発化 立山連峰地獄谷周辺でもガス噴出に懸念
11/27 18:09
御嶽山の噴火から27日で2カ月。列島各地の火山で活動が活発化する動きが相次ぐ中、北アルプスの名所・立山連峰の地獄谷周辺では、火山ガスの噴出による影響の拡大が懸念されている。
戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火から27日で2カ月。
ふもとにある、長野・王滝村の献花台の前では、噴火が起きた時刻と同じ午前11時52分に黙とうがささげられた。
57人が死亡、6人が今も行方不明のままとなっている御嶽山。
噴火当時、火口近くにいた佐藤敏満さんは「周りの方々が、次々に石に当たって亡くなっていきましたので、本当に、何とも言えないです。自分は、生きながらえているので、大事に生きていこうかなと思います」と語った。
この噴火以降、列島各地で火山活動の活発化を示す事象が相次いでいる。
山形県と宮城県にまたがる蔵王山では、11月、2014年最大規模の火山性微動を観測した。
熊本県の阿蘇山でも、25日から小規模な噴火が続いている。
阿蘇中岳では26日、噴出した火山ガスが自然発火する火炎現象が見られた。
阿蘇中岳第1火口から、噴煙が高く上がり、風に流されて平野部の上空まで覆っているのが確認できた。
噴火は、27日も断続的に続いており、福岡管区気象台によると、午前中には、噴煙が阿蘇中岳の第1火口から、およそ1,500メートルの高さまで上がり、火口から1km以内の立ち入りが規制されている。
火山灰の影響で、ふもとの村では、中学生がマスクをして登校する姿が見られた。
南阿蘇村立長陽中学校の井 正文教頭は「アレルギーのある子は、事前に注意するように話をしている。健康には、十分気をつけていきたい」と語った。
大量の火山灰は、ハウス栽培の高原キャベツの葉っぱにも降りかかっていた。
農家は「ひどかったですね」と語った。
また、熊本空港では、上空に達した噴煙の影響で、熊本と東京を結ぶ便など、ほとんどの便で欠航が続いている。
熊本空港には、便の変更や払い戻しをしようとする人たちの長い行列ができた。
利用客は「大変です。運が悪かった」と語った。
一方、日本有数の絶景を誇る北アルプスの立山連峰でも、噴火活動の活発化への備えが求められている。
取材班が訪れたのは、標高3,000メートル級の山が連なる立山黒部アルペンルート。
雪に覆われた山肌を望む雄大な眺め。
国の特別天然記念物「ライチョウ」も生息するこの地は、年間およそ100万人の観光客が訪れる、日本有数の観光地となっている。
訪れた人は、「パウダースノーが、1年で一番に楽しめるので、ピーカンで最高だ思う」、「きのうは雪が降っていて、ガスがすごかったが、けさは天気がよくて、びっくりして」と語った。
取材班は、この観光地の見どころの1つである、地獄谷方面へ向かった。
地獄谷は、2012年6月以降、水蒸気や硫化水素などの火山ガスの噴出が活発化しており、一帯の遊歩道およそ2.5kmの一般利用が禁止されている。
気象庁の調査では、火山ガスが噴き出る噴気孔の一部が、2014年9月までのおよそ1年で拡大していることがわかった。
富山地方気象台の飯村慎一技術専門官は「(一部の)噴気孔の活動が活発化している。2013年から比べると、活動が活発化していた」と語った。
気象庁が、2013年10月と2014年9月にそれぞれ撮影した、地獄谷の画像を比べると、噴気孔の周囲が壁のように高くなっているのがわかる。
地獄谷の至るところからは、煙がモクモクと上がっている。
地獄谷には、有毒ガスが濃くなってきたということで、「有毒ガス危険 歩道・誘導表示以外立ち入り禁止」という看板が設置されていた。
山の谷間にあるため、硫化水素など有毒ガスがたまりやすい地獄谷。
1985年には、登山者1人が硫化水素による中毒で死亡する事故も起きている。
現在の観測レベルは、噴火の傾向が乱れないことを示す「平常」の状態が続いている地獄谷周辺。
観光への影響について、ホテル立山の牧野真治副支配人は「今のところ、これといった影響はないですが、火山ガスの噴出が活発化していることについては、お客様に、正確に情報を案内するように努めていきたいと思っています」と語った。
今後の噴火の可能性について富山地方気象台の飯村技術専門官は「一応、火山ですので、いつ噴火してもおかしくない。登山客が多いとか、そういう時には、大きな事故になるんじゃないかと。やっぱり、防災に関する、何があってもいいような形で、対応がとれる状況をつくるという形が必要になってくる」と語った。
噴火への備えが求められる日本列島。
御嶽山の噴火を受け、気象庁は地獄谷周辺の監視を24時間体制に格上げする方向で検討している。
戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火から27日で2カ月。
ふもとにある、長野・王滝村の献花台の前では、噴火が起きた時刻と同じ午前11時52分に黙とうがささげられた。
57人が死亡、6人が今も行方不明のままとなっている御嶽山。
噴火当時、火口近くにいた佐藤敏満さんは「周りの方々が、次々に石に当たって亡くなっていきましたので、本当に、何とも言えないです。自分は、生きながらえているので、大事に生きていこうかなと思います」と語った。
この噴火以降、列島各地で火山活動の活発化を示す事象が相次いでいる。
山形県と宮城県にまたがる蔵王山では、11月、2014年最大規模の火山性微動を観測した。
熊本県の阿蘇山でも、25日から小規模な噴火が続いている。
阿蘇中岳では26日、噴出した火山ガスが自然発火する火炎現象が見られた。
阿蘇中岳第1火口から、噴煙が高く上がり、風に流されて平野部の上空まで覆っているのが確認できた。
噴火は、27日も断続的に続いており、福岡管区気象台によると、午前中には、噴煙が阿蘇中岳の第1火口から、およそ1,500メートルの高さまで上がり、火口から1km以内の立ち入りが規制されている。
火山灰の影響で、ふもとの村では、中学生がマスクをして登校する姿が見られた。
南阿蘇村立長陽中学校の井 正文教頭は「アレルギーのある子は、事前に注意するように話をしている。健康には、十分気をつけていきたい」と語った。
大量の火山灰は、ハウス栽培の高原キャベツの葉っぱにも降りかかっていた。
農家は「ひどかったですね」と語った。
また、熊本空港では、上空に達した噴煙の影響で、熊本と東京を結ぶ便など、ほとんどの便で欠航が続いている。
熊本空港には、便の変更や払い戻しをしようとする人たちの長い行列ができた。
利用客は「大変です。運が悪かった」と語った。
一方、日本有数の絶景を誇る北アルプスの立山連峰でも、噴火活動の活発化への備えが求められている。
取材班が訪れたのは、標高3,000メートル級の山が連なる立山黒部アルペンルート。
雪に覆われた山肌を望む雄大な眺め。
国の特別天然記念物「ライチョウ」も生息するこの地は、年間およそ100万人の観光客が訪れる、日本有数の観光地となっている。
訪れた人は、「パウダースノーが、1年で一番に楽しめるので、ピーカンで最高だ思う」、「きのうは雪が降っていて、ガスがすごかったが、けさは天気がよくて、びっくりして」と語った。
取材班は、この観光地の見どころの1つである、地獄谷方面へ向かった。
地獄谷は、2012年6月以降、水蒸気や硫化水素などの火山ガスの噴出が活発化しており、一帯の遊歩道およそ2.5kmの一般利用が禁止されている。
気象庁の調査では、火山ガスが噴き出る噴気孔の一部が、2014年9月までのおよそ1年で拡大していることがわかった。
富山地方気象台の飯村慎一技術専門官は「(一部の)噴気孔の活動が活発化している。2013年から比べると、活動が活発化していた」と語った。
気象庁が、2013年10月と2014年9月にそれぞれ撮影した、地獄谷の画像を比べると、噴気孔の周囲が壁のように高くなっているのがわかる。
地獄谷の至るところからは、煙がモクモクと上がっている。
地獄谷には、有毒ガスが濃くなってきたということで、「有毒ガス危険 歩道・誘導表示以外立ち入り禁止」という看板が設置されていた。
山の谷間にあるため、硫化水素など有毒ガスがたまりやすい地獄谷。
1985年には、登山者1人が硫化水素による中毒で死亡する事故も起きている。
現在の観測レベルは、噴火の傾向が乱れないことを示す「平常」の状態が続いている地獄谷周辺。
観光への影響について、ホテル立山の牧野真治副支配人は「今のところ、これといった影響はないですが、火山ガスの噴出が活発化していることについては、お客様に、正確に情報を案内するように努めていきたいと思っています」と語った。
今後の噴火の可能性について富山地方気象台の飯村技術専門官は「一応、火山ですので、いつ噴火してもおかしくない。登山客が多いとか、そういう時には、大きな事故になるんじゃないかと。やっぱり、防災に関する、何があってもいいような形で、対応がとれる状況をつくるという形が必要になってくる」と語った。
噴火への備えが求められる日本列島。
御嶽山の噴火を受け、気象庁は地獄谷周辺の監視を24時間体制に格上げする方向で検討している。