さっきまで寝てた。
ずっとコンコン音がしてた。
起き抜けの頭で俺は思った。
何の躊躇も無く金属バットを持って、極力デカい音を立てて移動する。
殺意を込めて
「はい。なんですか」
「ちょ……」みたいな顔。
俺はひとまず相手が目に見える武器をすぐ突きつけてこないことに安心した。
何をしでかしてきたとしてもとりあえず一拍置いて反撃することができるからだ。
おっさんは後ずさりながら封筒を出してきた。
紺色の封筒。
「なんやこれ」と思った。
どうにもうさんくさい。
何の詐欺だと思った。
バットを握る手に力がこもる。
おっさんは言った。
「電報です」
封筒をまじまじと見ると電報だった。
っていうか一般家庭に電報飛ばすなよ……誰だよ……
「はい」
俺口数少ないし起き抜けで目つき悪い。
書いた後に「ありがとうございます! 失礼しますっ」と言ってすぐに帰っていくおっさん。
もしこれ見てたら許してほしい。
っていうか電報って在宅者がいるまでずっと叩き続けるんだね。