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 2027年開業予定のリニア中央新幹線について、JR東海の柘植康英(つげこうえい)社長は27日の定例会見で、12月17日から工事に着手すると発表した。同日、ターミナル駅をつくる東京・品川と名古屋で安全祈願式を行う。

 同社によると、品川駅周辺の自社用地で工事資材などを置くヤードの整備を始める。新幹線名古屋駅のホーム下に位置する店舗や駅施設などの移転に向けた作業も開始。同駅地下に造るリニア新駅建設の掘削準備へのステップという。

 柘植社長は9月下旬、報道陣に年内着工は難しいと述べていた。だが、先月17日に建設工事の認可が下り、品川と名古屋の工事対象地域で住民への説明会が終わったため、着工時期が早まったという。柘植社長は会見で「工事の安全と環境保全にきちんと対応していきたい」と話した。

 同社は10月27日から沿線住民向けの事業説明会を開始。今月26日までに、予定している計51回のうち40回を終えた。今後、説明会とともに、測量や用地買収の契約などを進めていく。(中野寛)