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» 2014年11月27日 17時54分 UPDATE

特集:WindowsでOneDriveを活用するためのテクニック集 (1/4)

容量増加と価格下落により、身近になってきたオンラインストレージ「OneDrive」。Windows環境で本格的に使いこなすのに役立つテクニックやノウハウをまとめる。

[打越浩幸,デジタルアドバンテージ]
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OneDriveとは

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 「OneDrive(旧称SkyDrive)」とは今さら言うまでもなく、マイクロソフトが提供するオンラインストレージ(クラウドドライブ)サービスである。OneDriveは、原稿執筆時点(2014年11月)では、無料でも15Gbytes(場合によってはさらに数Gbytesの追加あり)のストレージが利用できるし、いくらかのコストを払えば、数百Gbytesものストレージも利用できる。さらに最近では「Office 365 Solo」などを導入すれば、無制限のストレージを利用できるプランも用意されるようになった。オンラインストレージサービスの分野は競争が激しいので、今後もさらなる大容量化、低価格化が期待できそうだ。

 これだけのオンラインストレージが安価に利用できるようになったのだから、それを活用しない手はない。OneDriveを単なる大容量のストレージサービスとして見れば、写真や文書データなどの保存先として利用すればよいし、クラウドストレージであることを生かすなら、(自宅や会社など)どこからでもアクセスできるように、さまざまな文書や資料などを集中的に保存するようにすればよいだろう(情報漏えいの危険性については言うまでもないので、本稿では特に触れない)。またWindows 8.1とOneDriveを組み合わせると、複数台のPCの設定などを簡単に統一したり、セットアップを素早く済ませたりできるので、これも活用したいところだ。

 筆者の例で言えば、仕事柄、記事執筆用に複数台のPCシステムを頻繁にセットアップしたり、環境を整えたりすることが多いので(特に仮想化システムを使い始めてからさらに頻度が高くなった)、まずは複数のWindows 8.1システムの環境統一やセットアップの簡易化のためにOneDriveを積極的に利用するようになった。またシステムのインストール後に行うさまざまな作業(必要なツールやベンチマークテストプログラムのインストールなど)でもOneDriveを使って作業を簡略化している。よく使うツール類やベンチマークプログラムなどを全てOneDrive上に保存しておき、どのPC上でもすぐに実行できるようにしている。ちなみに、ベンチマークなどの実行結果もすぐにOneNoteやOfficeなどの文書ファイル、Evernoteなどを使ってやはりクラウド上に全部保存するようにしている。

 またこれ以外にも、さまざまな資料やプログラム/ツール、データ、カタログ、取扱説明書などの他、ダウンロード販売で購入したソフトウェアや電子書籍、購入した製品に付属していたツール(CD/DVDならisoイメージに変換して保存)など、何でもOneDrive上に保存するようにしてみたところ、あっという間に100Gbytes近くになってしまった(これからもまだまだ増えそうだ)。

 さすがにこれだけ格納ファイル多くなってくると、OneDriveの同期や初期セットアップに時間がかかるとか、ときどき同期できない項目がある、システムによってはストレージが不足するので全部同期できないなど、いろいろな現象が起こる。そこで本稿では、OneDriveを使う上で気になる項目や不明な点などをいくつか取り上げ、その解決方法(というか、正確には筆者の個人的な対処方法)や、特にWindows 8.1のPCと組み合わせた場合に利用可能となるOneDriveの機能を中心に紹介しておく。なお、ここではOneDriveについて取り上げているが、シンボリックリンクの作成方法などは他のクラウドストレージサービスでもそのまま利用できるだろう。

OneDriveのストレージプランは?

 OneDriveは、無償では15Gbytesまで利用できるが(カメラボーナスなどを利用すればさらに増量可能)、追加コストを負担すればさらに大容量のストレージを利用できる。

ストレージ容量 プラン
15Gbytes 無料プラン。Microsoftアカウント1つにつき、無料で15GbytesのOneDriveストレージを利用できる。ただし有償プランを契約すると、この15Gbytes分は使えなくなる
+3Gbytes(+15Gbytes) カメラロールのボーナスとして、Windows 8.1で「カメラ」アプリを一度でも利用するなどすると、3Gbytes分の容量が加算される
原稿執筆時点では、3Gbytesではなく、15Gbytes加算された。+15Gbytesになるのは2014年9月末までの期間限定のサービスだったはずだが、現在でも有効なようである
+5Gbytes 紹介特典ボーナス。ユーザー1人紹介につき0.5Gbytes加算。最大では、10人紹介して5Gbytesまで追加可能
+10Gbytes ロイヤルティボーナス。旧SkyDriveユーザーに対してのみ割り当てられている。旧SkyDriveユーザーは25Gbytesまで無料だったため、現在の15Gbytes無料プランと整合性を持たせるために用意されている
100Gbytes 100Gbytesにする有償オプション。190円/月
これを契約すると、無料の15Gbytes分は使えなくなる(「100Gbytes+ボーナス分」となる)
200Gbytes 200Gbytesにする有償オプション。380円/月。
これを契約すると、無料の15Gbytes分は使えなくなる(「200Gbytes+ボーナス分」となる)
無制限 有償のOffice 365 SoloやOffice Premium プラス Office 365 サービスを契約しているユーザーなら、OneDriveのストレージを無制限に利用できる(以前は1Tbytesまでだったが、現在は無制限になった)
OneDriveのストレージ容量と利用プラン
2014年11月26日時点でのOneDriveのストレージプラン。一番下の「無制限」は、Officed 365製品などで利用できるプラン。プランや価格は随時改訂されているので、最新のプランについては「OneDriveのサイトニュース・更新情報ページ」などで確認すること。

 ストレージ容量を増やすだけなら、100Gbytesか200Gbytesの有償プランへ変更すればよい。

 300Gbytes以上のストレージが欲しければ、OneDriveの有償プランの代わりにOffice 365 Soloを契約して容量無制限にするという方法もある。Office 365 Soloは1万2744円/年で利用できる、サブスクリプション制のOfficeアプリケーションサービスである。

OneDriveとOneDrive for Businessは何が違う?

 OneDriveと似たサービスとして「OneDrive for Business(旧称SkyDrive Pro)」というものがあるが、これはOneDriveとは別のサービスである。

 OneDriveは個人向けのクラウドストレージサービスであるが、OneDrive for Businessは、SharePointベースの企業/組織向けオンラインライブラリサービスである。複数のユーザーが共同で作業したり、ドキュメントなどを共有したりするためのものであり、Office 365 BusinessやOffice 365 Enterprise、SharePoint 2013などと共に使うことを想定している(OneDrive for BusinessのクライアントはOffice 2013やOffice 365のほとんどのバージョンに付属している)。基本的には有償のプランしか用意されていない。

 OneDrive for BusinessでもOneDriveと同様にファイルストレージが利用できるが(現状では最大1Tbytesまで利用可能だが、今後は容量無制限に拡張される予定)、扱えるファイル数や最大ファイルサイズ、利用可能なファイル名文字などに制約が多く、運用には注意が必要である。特に1ライブラリ当たり最大2万項目という制限は、ファイルの内容にもよるが、総ファイルサイズにすれば10〜20Gbytes程度である。最大項目数を超えないように複数のライブラリに分けて使うのは、あまり現実的ではないだろう。

項目 OneDrive OneDrive for Business
主な用途 個人向け ビジネス向け
オブジェクト数 特に制限無し 1ライブラリ当たり、最大2万ファイル/フォルダーまで保存可能。ライブラリとはOneDrive for BusinessのベースとなっているSharePointの制限。これを越えるファイルを利用したければ別のライブラリに分ける
同期対象 1フォルダーのみ 複数利用可能
同期可能な項目数 特に制限無し 最大2万ファイル/フォルダーまで同期可能(SharePointライブラリでは5000項目まで)
最大ファイルサイズ 最大10Gbytesまで 最大2Gbytesまで
バージョン管理 Office文書のみ 可能
SLA 無し 99.9%の稼働率保証
コンテンツのチェック(検閲) あり。不適切な内容が含まれていれば、アカウントの停止などの措置あり 無し
OneDriveとOneDrive for Businessの主な違い
OneDrive for Businessは、内部ではSharePoint Server(データベース)でファイルやフォルダーを管理しているため、コンシューマー向けのOneDriveとは異なるさまざまな制限がある。

Windows 8.1でOneDriveを使い始めるには?

 Windows 8.1には最初からOneDriveの最新クライアントが組み込まれているため、ユーザーはMicrosoftアカウントを使ってWindows 8.1にサインインするだけでOneDriveを利用できる(最新のWindows Updateを適用しておくこと。さもないと、旧SkyDrive向けのクライアントソフトウェアが入っていることがある)。詳細については以下の記事を参照していただきたい。

 Windows 8.1の前身となるWindows 8でもOneDrive(当時の名称はSkyDrive)は利用できたが、その仕様はかなり変更されているため、ここでは触れない。Windows 8のSkyDriveには、Windowsストアアプリ版のSkyDriveクライアントと、デスクトップ版のSkyDriveクライアントの両方があり、それぞれの挙動が少し異なるので使いこなすのが面倒だからだ(詳細は上記の記事参照)。

 なお、Windows 8.1ではOneDriveはあらかじめインストールされているが、OneDriveに関する設定を行うツール(設定画面)はいくつかある。1つ目はデスクトップのステータスバーに表示されているOneDriveのアイコンで、これをクリックするとOneDriveのフォルダーがエクスプローラーで開かれるし、右クリックすると、何らかの問題が起こっているときにそのエラー情報を確認できる。

 2つ目は、エクスプローラーに表示されている「OneDrive」アイコンで、これを右クリックしたり、OneDriveのツリー内にあるファイルやフォルダーを右クリックすると、OneDriveに関するいくつかの設定を変更できる。

 3つ目はWindowsストアアプリの「OneDrive」で、これを使うと、OneDriveのファイルやフォルダーの一覧を表示したり、OneDriveの同期設定を変更したりできる。

 4つ目は「PCの設定」画面にある「OneDrive」である。ここではOneDriveの使用容量を確認したり、ユーザープロファイルで同期させる項目などを選択できる。

Windows 8.1でローカルアカウントやドメインアカウントでサインインしている場合にOneDriveを利用するには?

 Windows 8.1ではMicrosoftアカウントではなく、ローカルアカウントやドメインアカウントを使ってサインインすることもできる。このようなシステムで(非Microsoftアカウントでサインイン中に)OneDriveを利用したければ、サインイン中のアカウントとMicrosoftアカウントを「関連付け」すればよい。具体的には次のようにする。

 まず設定チャームから[PC設定の変更]画面を開き、[アカウント]−[お使いのアカウント]画面を開く。右側に現在サインインしているアカウントが表示されるので、その下にある[Microsoft アカウントに関連付ける]をクリックして、関連付け作業を行う。

Microsoftアカウントの関連付け Microsoftアカウントの関連付け
非Microsoftアカウントでサインインしている場合は、そのアカウントをMicrosoftアカウントに関連付けることにより、OneDriveを利用できるようになる。
  (1)[PCの設定]−[アカウント]画面で、これを選択する。
  (2)現在サインインに利用しているアカウント名とその種類。
  (3)これをクリックして関連付けを行う。

 ローカルアカウントでサインインしている場合は、この後「Microsoftアカウントにの切り替える」という画面が表示されるので、指示に従って現在のパスワードの入力と関連付けるMicrosoftアカウントの入力、OneDriveとの同期の許可などを行う。作業が完了すると、以後はサインイン画面にはMicrosoftアカウント名が表示されるようになる。つまり、ローカルアカウントからMicrosoftアカウントに切り替わる。

 ドメインアカウントでサインインしている場合は「このPCのMicrosoftアカウントへの関連付け」という画面が表示され、どのような項目をMicrosoftアカウントで同期させるかを設定できる。以後の具体的な手順についてはTIPS「ドメイン環境でMicrosoftアカウントによる同期機能を使う」を参照していただきたい。

Windows 7でOneDriveを使う

 Windows 7でOneDriveを利用するためには、OneDriveのWebサイトからクライアントプログラムをダウンロードしてきて、自分でインストールする必要がある。セットアップ方法に特に難しいところはないだろう。OneDriveで利用するMicrosoftアカウントの指定や、OneDriveで利用するローカルのフォルダー、同期させるOneDrive上のフォルダーの指定を行うだけで利用できるようになる。

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