衆院選:民主、大阪市内は公認ゼロ 「維新共闘」地元反発

毎日新聞 2014年11月27日 12時18分(最終更新 11月27日 15時58分)

民主党の新執行部として初の国政選挙対策本部の会議であいさつする海江田万里代表(右)と岡田克也代表代行=2014年10月1日、矢頭智剛撮影
民主党の新執行部として初の国政選挙対策本部の会議であいさつする海江田万里代表(右)と岡田克也代表代行=2014年10月1日、矢頭智剛撮影
衆院選・大阪市内の各党擁立状況
衆院選・大阪市内の各党擁立状況

 民主党本部が大阪市内で公認候補を擁立しない方針を示し、地元が猛反発している。「野党共闘」を目指す党本部は、維新の党との競合区を減らしたい思惑だが、維新の地元・大阪では大阪都構想を巡って両党が対立。大阪市内での擁立を見送れば1998年の結党以来初めてとなる。府連は「大都市で候補者ゼロは耐えられない」として独自での擁立も検討している。

 2012年の前回選で、民主は公認候補を擁立した大阪府内の小選挙区で全敗した。府連は今回の選挙で再起を期すが、現在、党の公認を受けたのは府内19選挙区のうち大阪10、11、12、16、19各区の5人だけ。大阪1〜6区の大阪市内6選挙区はゼロだ。

 大阪府・市を再編する都構想を進める維新に対し、府議・市議レベルでは民主と公明、自民が連携して対決姿勢を強めている。しかし、全国では事情が異なる。前回選で、維新など「第三極」や民主は300小選挙区のうち227選挙区で競合。多くが共倒れし、「自民1強」を招いた。今回、野党は候補者調整を進め、競合は全国295選挙区のうち53選挙区(24日現在)まで縮小している。

 24日に民主党本部で開かれた会議。府連幹部が「大阪は候補者調整と関係ない。空白区での擁立を認めてほしい」と訴えたが、岡田克也代表代行は「新たな競合区は作れない」とかたくなに拒んだ。

 大阪10区(高槻市など)で維新候補と対決する民主前職(54)は「大阪の維新は安倍(晋三)首相にエールを送り、野党か与党か分からない」と批判する。大阪4区(大阪市北区など)で立候補を目指す元職(52)は「大阪市内で勝利し、大阪から風を吹かせたい」と意気込むが、党本部に出した公認申請の返答はまだない。府連は本部が公認しない場合、無所属のまま府連が独自に推薦して戦う姿勢を見せている。

 一方で、大阪3、5、6区は維新が候補を擁立しないものの、党勢が弱く、すぐに候補を見つけられないという側面もある。府連幹部は「選挙区を絞って戦う」としている。

 民主は都心部の兵庫1区、京都1区でも維新との競合を避け、候補擁立を見送る方針。いずれも結党以来初めてとなる。【寺岡俊、熊谷豪】

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