介護・医療用の装着型ロボットなどを手掛けるサイバーダインは26日、新株と新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行して海外市場から約410億円を調達すると発表した。調達した資金は医療用の装着型ロボット「HAL」の欧米での事業展開や国内での製造設備の拡充などに充てる。
同社は筑波大学発のベンチャー企業で、今年3月に東証マザーズに上場した。14年3月期の連結売上高は約4億5000万円だが、介護やリハビリテーションなどに使えるロボット技術で国内外から注目を集める。
今回は普通株式700万株の新たな発行で約210億円、2017年満期のユーロ円建てCBの発行で200億円を欧州やアジアで調達する。新株、CBともに払込期日は12月12日。海外市場から調達することについては「海外の機関投資家などからの要望が多かったため」としている。
調達資金のうち100億円は欧米などでの事業拡大に使う。昨年は脳卒中などで脚が不自由になった患者のリハビリに使う医療用「HAL」を世界で初めてドイツで発売。今年11月には米食品医薬品局(FDA)にも承認申請しており、承認されれば米国に子会社を設けて来年から販売を始める計画だ。
国内では来年から福島県郡山市で量産工場を稼働させる予定で、生産拡充に50億円を充てる。川崎市と茨城県つくば市で計画する医療機器などの開発拠点の整備にも200億円投じる。
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