欧州中央銀行(ECB)の幹部の一人が、景気後退を食い止める現行の政策では効果が不十分な場合、来年早々にも国債を買い入れる「量的緩和」に踏み切る可能性があることを示唆した。
ECBのコンスタンシオ副総裁は、ユーロ圏では緩和策が機能しないという主張は「根拠が不十分」だと述べた。
ECBはすでに同行のバランスシートを1兆ユーロ拡大することを目指し、カバードボンドと資産担保証券(ABS)の購入を実施している。
■ドラギ総裁よりさらに一歩踏み込んだ発言
コンスタンシオ副総裁は26日にフィナンシャル・タイムズ紙がロンドンで開催した金融サミットに出席し、「計画が狙い通りに進めば、ECBのバランスシートは2012年初めの水準に戻ると予想している」と述べた。「もちろん、その進捗のペースが予想に沿ったものかどうかを入念に監視しなければならない。予想通りなら、来年1~3月期にははっきり計測できるはずだ」と語った。
だが、同氏によると「もしそうでなければ、他の資産の購入を検討する必要が出てくる。より大規模で流動性の高い証券市場である、流通市場の国債もそれに含まれる」と述べた。
同氏は、ECBがユーロ加盟国の国債を買い入れる場合には、各国の経済規模に応じて算出されるキャピタル・キー(資本割当率)に比例した額になると述べた。
同氏の発言に先立ち、ドラギECB総裁も先週、政策担当者が今後数カ月以内に資産購入プログラムを拡大する準備に入ったことを示唆し、大規模な量的緩和には経済成長や物価上昇を呼び起こす効果があまりないとする懸念を打ち消そうとした。
しかし、コンスタンシオ氏はドラギ氏よりもさらに一歩踏み込んで、ECBが直近の政策の効果をどのくらいの期間で見きわめ、一段の緩和強化に乗り出すのかを明らかにした。
また、ECBがキャピタル・キーに基づいて各国の国債を購入することは、すでに広く想定されていたとはいえ、今回の発言が最も明確にそれに言及したことになる。
コンスタンシオ氏は、ECBによる購入が単に国債利回りを低下させるだけでない大きな効果をもたらし、各国の経済改革への圧力が弱まるわけでもないというドラギ氏の主張を繰り返した。
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