校長室だより
平成26年11月26日更新
もう一週間足らずで師走を迎えます。本格的な冬の訪れもすぐといった感じですが、学園周辺の山々は今紅葉が素晴らしい季節であります。鮮やかな赤や黄色に色づいている校内の茶室「碧水庵」のもみじも、正門近くの槐の木も少しずつ散り始めています。
今日は先日の11月13日に挙行された創立120年記念式のことをお伝えしたいと思います。本校では創立記念式は、学校の誕生日として毎年挙行していますが、今年は明治27(1894)年の創立から120年という節目の年を迎えました。多くのご来賓の方々のご臨席をいただき、盛大に厳粛に麗しく挙行することができましたこと、誠に有り難いことでありました。
当日は全校生徒、教職員で金光教本部広前に参拝し、高3と中3の代表生徒が、御礼とお願いのお届けをさせていただきました。その後、木綿崎山の金光教の歴代教主 奥 ( おく ) 城 ( つき ) や 初代校長佐藤範雄先生の頌徳碑を巡拝し、 帰 校 してから記念式を 挙行しました 。 本校の創立記念式は式典に先立ち、5年ごとに感謝祭・慰霊祭を行い、ここまでのことを神様に御礼を申し上げ、その間亡くなられた同窓生方々や元教職員の御霊様の慰霊祭を行います。和楽が厳かに奏でられる中で、理事長先生祭主のもとに、祭事が仕えられるのでありますが、他の学校の創立記念式にはない形ですから、初めてお越しいただいた方々には、びっくりされた方も多かったのではないかと思います。引き続きの式典も厳粛かつ盛大に終えることができました。昼食をはさんでの午後からの佐藤真海さんの記念講演も滞りなく終えさせていただきました。終ってから多くの方々に、素晴らしい記念式であったと口々におっしゃっていただきましたが、特に素晴らしかったとのお褒め頂いた生徒代表の所願表明と佐藤真海さんの記念講演の内容を少しお伝えしようと思います。
所願表明を行った代表の高3の尾崎晃士君は野球部の生徒でありますが、野球部の活動を通して体力はもとより、礼儀、感謝、忍耐、諦めないことなど大切な精神を学んだことを話しました。さらに、先月ノーベル平和賞を受賞した 17 歳のパキスタン人のマララさんの生き方や国連で演説した「 One child, one book and one pen can change the world. Education is the only solution. Education first 」と英語でも紹介し、「自分達は世界で稀なほど恵まれた環境にあり、それゆえに学びに対して挑戦する気持ちを失っていることに気づかされた。世界平和のため、世界がより豊かに反映するために貢献し、挑戦し続けたい」と、自分の言葉で力強く話しました。会場からは大きな拍手が起るほどでありました。
パラリンピアンで昨年の東京オリンピック、パラリンピックのプレゼンテーターとして招致に大きく貢献した佐藤真海さんの記念講演では、20 歳の時に、悪性の骨肉腫で右足を切断しなければならなかった悲しい体験を通しての大切な話を聞かせていただきました。「大切なのは私が失ったものではなく今私にあるもの」「夢が自分を支えてくれた」「神様はその人に乗り越えられない試練は与えない」「スポーツも勉強もやればやっただけのことが帰ってくる」「気持ちで負けない強い選手になれ」「限界のふたを外そう」など自分の体験の中で学んだことを伝えていただきました。今年は式典後、昼をはさんでの記念講演であったので、多くの来賓の方は、お帰りになるのではと考えていましたが、残っていただく方が極めて多く、その上、新たに午後の講演にお出でいただいた方も多く、体育館は一杯で、校内の椅子だけでは足りないため、町内の中学校の椅子をお借りして何とか対応したようなことでありました。
その佐藤真海さんから数日前次のようなお便りをいただきました。
「先日の記念講演では、とても温かく迎えて頂きまして誠にありがとうございました。あれだけ大勢の生徒さんや、ご来賓の皆さんに最後まで熱心に耳を傾けて頂き、今も余韻が残っています。やっぱり伺うことができて良かった!!と心から思いました。本当にありがとうございました。」
私達にとっても大変嬉しい便りでありました。今年計画していました記念事業や記念行事のほとんどを無事終えさせていただくことができ、関係者の皆様にもとても喜んでいただきましたことは、大変有り難いことでありました。しかし大切なのはここからであります。これまでの長きよき伝統を大切にしながら、生徒、教職員共々に心を合わせて、今後の取り組みを進めてまいりたいと思っています。 もう1ヶ月余りで新しい年を迎えます。寒さも日に日に厳しくなってまいります。どうぞ皆様にはくれぐれもご自愛下さいませ。