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国循、新規抗凝固薬を検証- 低用量投与での薬効不十分を懸念
国立循環器病研究センター(国循)の合同研究チーム(脳血管内科の岡田卓也医師、豊田一則部長、分子病態部の宮田敏行部長)は、これまで使用されてきた抗凝固薬「ワルファリン」に代わる薬として期待される非ビタミンK拮抗型抗凝固薬の1つ「リバーロキサバン」の服用後の血中濃度を測定し、通量用量より低用量での投与では薬効が十分に発揮されない懸念があると発表した。研究成果は、27日付(日本時間)の科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。【坂本朝子】
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非ビタミンK拮抗型抗凝固薬は2011年3月以降に製薬各社から相次いで発売され、現在、国内では「ダビガトラン」「リバーロキサバン」「アピキサバン」「エドキサバン」の4剤が使用できる。ビタミンKを多く含む食事の制限や煩雑な検査が不要なのが特徴で、従来薬のワルファリンと同等以上の有効性と安全性は示されているが、いずれの大規模臨床試験でも急性脳卒中患者が登録されておらず、解明されていない点がまだ多い。
そこで研究チームは、4剤のうち日本人のみを対象とした臨床試験を経て、国際的な標準用量とは異なる低い用量で国内承認された「リバーロキサバン」に注目。国循の入院患者110例(急性期脳梗塞・一過性脳虚血発作92例、急性期脳出血7例を含む)を対象に、通常用量(1日15mg)投与群と低用量(1日10mg)投与群とに分け、服用直前、同4時間後、同9時間後の血中濃度を測定し、解析した。
その結果、最高濃度に該当すると考えられる服用4時間後の血中濃度の平均値が、通常用量投与群で186ng/mL、低用量投与群で147ng/mLと、国内外でのシミュレーションから算出された最高血中濃度(200ng/mL超)よりもやや低い値だった。特に、薬剤を粉砕して使用した場合に、より低値を示したという。
この結果を踏まえ、リバーロキサバンは国内では独自の低い用量が設定されているため、本来は通常用量が適切である患者に対し、さらなる安全性を配慮して低用量投与することで薬効が十分に発揮されないことが懸念されると指摘。薬効に問題がないかの検証が今後必要であるとした。
現在、国循を含む国内18施設で、急性期脳梗塞患者への新規抗凝固薬の使用に関する前向き登録研究「SAMURAI-NVAF」でも調査が進められており、近く研究発表される予定。
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( 2014年11月27日 04:00 )
関連キーワード: 脳梗塞
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