月刊 現代農業
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●巻頭特集 貯蔵・保存のワザ拝見

巻頭写真

農家にとっては、これもなくてはならない「農具」。
収穫物の運搬、貯蔵、小物の収納……、
近頃は業務加工用野菜の流通でも注目されている。
そんなコンテナの「上手な選び方」「あっと驚く使い道」を一挙公開!

「貯蔵の裏ワザ」コーナーより

リンゴ ジャガイモ

野菜はなんでも貯蔵する80歳
ジャガイモの芽止め法

岩手県紫波町・水本礼子さん

 水本礼子さんは80歳。野菜や果物を多品目栽培し、直売所で盛大に販売する農家だ。「とれた野菜はいっさい無駄にしたくない」と、実践する貯蔵法の数々を教えてもらった。

ジャガイモ
――発芽させないコツ

 夏にたくさんとれるジャガイモ。発芽させずに春まで長く食べるには、涼しくて暗い場所で保存する必要がある。

 礼子さんはジャガイモをリンゴ箱(1箱にリンゴが18kg入る木箱)に入れて保存するが、芽を出にくくするためにさらにひと工夫。1月くらいになったら、ジャガイモが入った木箱内の上のほうに、リンゴを3〜5個入れておくのだ。すると、リンゴから出るエチレンが発芽を抑えてくれる。リンゴはふじがおすすめ。春まで長く持つ晩生品種だからだ。

 5月以降はリンゴ箱ごと保冷庫へ投入。これで新ジャガが出る7月までジャガイモを食べられる。

ハクサイ
――新聞紙の上に立てる

 ハクサイもリンゴ箱に入れて倉庫で貯蔵。底に新聞紙を敷いて立てて入れる。横にすると下になった部分がつぶれて腐りやすい。新聞紙で水分が調整され、いつまでもおいしさを保てる。

ネギ
――根を土にくっつけて

 収穫したネギは、日光が当たって白い部分が緑色に変色しないように、底を切り取った紙の米袋に入れて貯蔵。

 礼子さんは、ハウスの中に深さ30cmほどの穴を掘り、米袋に入れたネギを立てて並べる。隙間を土で埋めたら完成。ネギの根に土が接していると、冬の間中いつでも、ピンとしたネギを食べられる。

ダイコン・カブ
――スギの葉でネズミよけ

 ダイコンとカブは土に埋めて春まで保存するが、ネズミ害が深刻。そこで、礼子さんはスギの葉を使う。

 地面に深さ30〜50cmの穴を掘ったら、底に枯れていない青々としたスギの葉を敷き、ダイコンを並べ、上からスギの葉で覆う。その上に土をかけて完成。スギの葉のチクチクがネズミは苦手なのだとか。

 ダイコンもカブも葉は切り落とす。付けたままだと栄養が葉に移ってしなびてしまうそうだ。

サトイモ
――ビニールを敷いて埋める

 ジャガイモに比べて寒さに弱いサトイモは、皮を剥いてすぐ食べられる状態にして冷凍保存することが多い。全部はやりきれないので、残りはハウスに深さ30〜50cmの穴を掘って親イモと子イモはばらさずに埋める。穴の底にビニールを敷けば、その端を引っ張ってラクに取り出せる。

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

現代農業 2014年12月号
この記事の掲載号
現代農業 2014年12月号

特集:貯蔵・保存のワザ拝見
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