日本のアジア資産投資が過去最高-円キャリー取引で高リターン
11月27日(ブルームバーグ):日本の投資家はかつてないほどのアジア資産を購入している。アジア投資の資金調達では、安倍晋三首相が進める政策の影響で円が有利な手段となっている。
財務省のデータによると、2014年1-9月の日本からアジアの株式・債券への資金純流入が1兆8200億円に達した。円を借り入れて、ブルームバーグ・JPモルガン・アジア・ドル指数を構成する10通貨に投資するキャリー取引のリターンは年初から今月26日までの期間に年率13%に達した。ユーロとドルを調達通貨とする場合ではそれぞれ11%、0.2%だった。
物価上昇を目指す安倍首相の前例のない政策はアジアの相場を押し上げており、米国が来年の利上げに備える中で予想される資金流出の緩衝材となっている。中国人民銀行(中央銀行)が21日、2012年以来の利下げを発表したことに加え、欧州中央銀行(ECB)が追加金融緩和を検討していることもアジアへの資金流入の追い風だ。
INGグループのアジア調査責任者、ティム・コンドン氏(シンガポール在勤)は24日のインタビューで「日本の投資家は他地域の投資家と同じように利回り追求の動きを強めている。日本銀行に続いて人民銀が追加緩和を実施し、ECBもそれに加わる見通しだ。利回りを求める動きは15年も続きそうだ」と語った。
原題:Asia’s 13% Carry Return Lures Record Japan Funds Amid Yield Hunt(抜粋)
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更新日時: 2014/11/27 11:07 JST