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福島の避難区域で初の漁船撤去開始11月21日 14時53分
東日本大震災の津波で打ち上げられたままになっている漁船の解体作業が、原発事故による避難区域では初めて、福島県浪江町で21日から始まりました。
環境省によりますと、東京電力福島第一原子力発電所の事故による避難区域のうち、帰還困難区域を除く福島県内の4つの市と町には、震災の津波で70の漁船が陸地に打ち上げられたまま放置されています。
環境省は、漁船の撤去に向けて所有者の特定や解体の同意を得る手続きを進め、廃棄物の搬入先などのめどが立ったことから、避難区域としては震災後初めて、浪江町の請戸漁港の周辺で、21日から解体作業を始めました。
21日の作業は、福島第一原発から北に6キロ余りのところで行われ、重機を使って甲板の部分から取り壊していました。
解体された船は、細かく分別されて金属などは産業廃棄物として処理されるほか、木くずなどの可燃物は福島県内の仮置き場に運ばれることになっています。
環境省は、今年度末までに避難区域での船の解体と撤去を終えることにしていますが、住民の帰還が長期間にわたって難しいとされる帰還困難区域では、撤去作業を始めるめどが立っていません。
環境省福島環境再生事務所の毛利陽司廃棄物対策官は、「初めての作業で試行錯誤しながらではあるが速やかに撤去を進めたい」と話しています。