滋賀県のニュース
表示したい都道府県を最大2つまで登録することができます。
- 未登録の場合は「登録」ボタンをクリックします。
- 登録したい都道府県を地図から選択します。
- 確認ボタンをクリックすると登録が完了します。
※登録した都道府県を変更するには「変更」ボタンをクリックします。
原発仮処分申請を退ける
福井県にある、運転停止中の大飯原子力発電所と高浜原子力発電所のあわせて4基について、滋賀県や京都府などの住民が、大地震や津波で深刻な事故につながるおそれがあるとして、再稼働させないよう仮処分を申し立てていたことについて、大津地方裁判所は、申し立てを退ける決定をしました。
福井県にあり、運転が停止している関西電力の大飯原子力発電所3号機と4号機、それに高浜原子力発電所3号機と4号機のあわせて4基について、滋賀県や京都府などの住民およそ180人は、大地震や津波で深刻な事故につながるおそれがあるとして、再稼働させないよう仮処分を申し立てていました。
これについて、大津地方裁判所の山本善彦裁判長は「住民は、国の原子力規制委員会が早急に審査を進めており、原発の再稼働が目前に迫っていると主張するが、原発事故に対応する地元の自治体との連携や住民の避難計画などはまだ何も決まっておらず、これらが進まなければ、再稼働はあり得ないことなどに照らしても、規制委員会が、いたずらに早急に再稼働を容認するとは到底考えられない」と指摘し、申し立てを退ける決定をしました。
4基の原発は、再稼働の前提となる安全審査が行われていて、このうち、高浜原発の3号機と4号機について、国の原子力規制委員会は、審査に合格したことを示す審査書の案を年内にも公表する見通しです。
関西電力は、「裁判所から妥当な判断を頂いたものと考えています。
今後も原子力プラントの安全対策に万全を期すとともに新規制基準への適合性についての原子力規制委員会の審査に真摯かつ迅速に対応し、安全が確認されたプラントについては、地域の皆様のご理解を賜りながら、1日も早い再稼働を目指したいと考えています」とコメントしています。
記者会見した住民の代表で長浜市の辻義則さんは、「裁判所は、東京電力福島第一原発の事故のあとに作られた新しい規制基準の合理性について、関西電力が反論できなかったことを正当に認定した。
さらに地元の自治体との連携と役割分担、それに住民の避難計画が何ら決まっていない中では再稼働が認められるわけがないと言っているのに、最終的な判断を原子力規制委員会に丸投げした。司法に対する期待を裏切った不当な決定で、強く抗議する」とする声明文を読み上げました。
井戸謙一弁護団長は「不本意な結果となり、全体として残念だが裁判所は『原子力規制委員会がいたずらに早急に再稼働を容認するとは到底考えられない』と言及している。原発再稼働への流れに大きな影響を与え、考え直す機会になることを望む」と述べました。
11月27日 15時12分