京都大の堀田秋津助教らは、難病の筋ジストロフィーで、原因となる遺伝子を修復すると症状が改善する可能性があることを発見した。患者の細胞から作ったiPS細胞を使った実験で確かめた。細胞レベルの成果のため、実用化には時間がかかるが、将来の治療法開発に道を開くことが期待される。
米科学誌ステム・セル・リポーツ(電子版)に27日掲載される。
対象となるのは、筋肉が萎縮して進行すると呼吸不全や心不全につながる「デュシェンヌ型」の筋ジストロフィーで、国内に推定2500~5000人の患者がいる。原因遺伝子は分かっており、この遺伝子配列の一部に異常があることから、体内で機能するたんぱく質をうまく作れない。
研究グループは患者由来のiPS細胞で、遺伝子を切断したり正しい遺伝子を導入したりする実験をした。そこから筋肉の細胞を作ると、体内で機能するたんぱく質が作れるようになった。iPS細胞に何もしないと、すぐに萎縮してしまう筋肉の細胞しか作られなかった。
iPS、原因遺伝子