メッシが歴代最多ゴール記録を更新

　【ロンドン原田公樹】欧州チャンピオンズリーグ（ＣＬ）は２５日、各地で１次リーグ８試合を行い、Ｇ組でＤＦ内田篤人（２６）が所属するシャルケ（ドイツ）はホームでチェルシー（イングランド）に０−５と大敗した。チェルシーは同組１位決定で１６強による決勝トーナメント（Ｔ）進出を決めた。シャルケは３位に後退。１次リーグ突破が厳しくなった。既に決勝Ｔ進出を決めているＦ組のバルセロナ（スペイン）は、ＦＷリオネル・メッシ（２７）のハットトリックなどで敵地でのＡＰＯＥＬ（キプロス）に４−０で大勝。メッシはＣＬ通算７４得点とし、ＦＷラウル（元レアル・マドリードなど）の歴代最多得点記録を塗り替えた。

　メッシがするするとボールを持って中央へ上がると、引いて守備を固めたはずのＡＰＯＥＬのゴール前に不思議と“穴”が開いた。１点リードの前半３８分、素早いパス交換後、メッシはゴール前のその穴へ侵入。ラフィーニャのシュートを中央で触ってコースを変え、ゴールを決めた。

　前戦でレアル・マドリード（スペイン）などに所属した元スペイン代表ＦＷラウルが持つ、ＣＬ最多得点記録（７１ゴール）と並んでいたが、これをあっさり抜いた。ラウルが１４２試合かかった記録を、９１戦で抜いてみせた。

　２２日のセビリア戦（スペインリーグ）でもハットトリックを決め、リーグ歴代最多得点記録を５９年ぶりに更新したばかりだが、また一つ、メッシに偉大な勲章が加わった。ただ、メッシは「重要な大会で記録を打ち立てることができ、とてもうれしい。しかもラウルのような偉大な選手の記録だからね」と喜びつつも、「でも、大事なのはすばらしい試合をして、チームが勝ったこと」と謙虚さを崩さなかった。

　メッシは後半１３分、同４３分にもゴールを決め、ハットトリックも達成。自らのＣＬ記録を「７４」にまで伸ばした。普段は８割方、利き足の左足でゴールを決めるが、この日は全て右足というレアケースだった。

　「このままシーズン前に打ち立てた目標に向かって努力するだけ。僕たちはこの道を続けるだけだ」とメッシ。歴史を塗り替えても、試合に臨む姿勢は何も変わらないと言わんばかりだった。全ては自らではなく、チームのため。常にぶれないこの姿勢こそが、実はゴール量産の秘訣（ひけつ）でもある。