【NPB】果たして覚悟の再出発の行方は 広島復帰の新井に待ち受ける壁
Full-Count 11月27日(木)10時29分配信
年俸はわずか2000万円――。今季の2億円(金額は推定)から、わずか10分の1になっても、いばらの道を選んだ。新井貴浩は8年ぶりに、自らFA移籍で飛び出した古巣・広島の門を再びたたいた。
「身が引き締まる思い。自由契約という道を選択した時、まさか帰ってこいと言ってもらえるとは思っていなかったので、驚きました。最後は育ててもらったところで燃え尽きようと思った。声を掛けていただいてうれしかったのですが、客観的に自分のことを考えた時に、帰っていいものか、悩みました」
11月14日、広島への復帰が決まり、入団会見で新井はこう語った。阪神からは野球協約の減額制限(1億円超は40%)を超える1億円超のダウン提示を受けた。選択したのは、自ら自由契約となる道だった。ただ、退団の理由は大幅減俸ではなく、「最後に、もう一回競争できる環境に身を置きたかった」という思いからだったという。
競争出来る環境に、というが、踏み出した先は、阪神残留以上に、厳しい状況かもしれない。
今季、94試合に出場して、176打数43安打、3本塁打、31打点だった新井。今季は右肩不安もあり一塁が中心で、10試合に先発出場。チーム事情から、シーズン中盤からは三塁としても、25試合に先発した。広島で想定されるポジションも、一塁と三塁。それぞれのポジションで、新井が広島で置かれる状況を考えてみるとどうなるか。
まず、一塁だ。なんといっても、今季のセ・リーグ本塁打王のエルドレッドがいる。さらには、メジャー通算25本塁打の新外国人、ヘスス・グスマンをアストロズから獲得。グスマンは、アベレージヒッタータイプの中距離砲だという。外野手には、今季後半にブレークしたロサリオもいる。前出の2人も左翼を守ることが出来るため、一塁と左翼は、ほぼ間違いなく外国人で埋まるだろう。
となると、三塁はどうだろう。広島にとって、今季の泣き所だったポジション。相手投手の左右などで、日替わりで起用され、ホットコーナーは最後まで固定しきれなかった。レギュラー候補に挙がるのは堂林、梵、木村、小窪、そして、侍ジャパン21Uに入った鈴木誠あたりだろうか。
堂林は、今オフにTBSの枡田絵理奈アナウンサーとの結婚が決定。生涯の伴侶を得て、新シーズンに挑むことになるだけに、かける思いは人一倍強い。鈴木誠は、台湾で行われた21Uワールドカップで首位打者とベストナインを獲得。パンチ力のある打撃に加え、走力をはじめ、高い身体能力が武器だ。この2人は今季、右翼でも起用されており、三塁と右翼で併用される可能性もある。
梵、木村、小窪の中堅、ベテラン勢も、黙っていないだろう。特に梵、木村は今季、FA権を取得したが、権利を行使することなく、広島に残留した。カープの優勝へ貢献したいという思いは強い。
新井は来季、38歳になる。広島というチームは菊池、丸に代表されるように、若手の成長が目を引くチームだ。堂林、鈴木誠などは、この2人に次ぐ存在と、期待もされている。実績はあれど、新井のプライオリティーは彼らより下になるかもしれない。
自身が望んだ競争があるのは、事実。春のキャンプ、オープン戦でその力を取り戻し、発揮しなければ、レギュラーの座はつかめない。金も、プライドもかなぐり捨てて、飛び込んだ古巣。背水の覚悟で、新井はプロ17年目に挑む。
フルカウント編集部●文 text by Full-Count
最終更新:11月27日(木)11時29分
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