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大阪に「マッサン」ブーム ガイドマップ品切れ、ホテルは特別メニュー

産経新聞 11月27日(木)7時55分配信

 大阪市住吉区などを舞台に大正から昭和にかけ本格的な国産ウイスキー製造に奮闘する国際結婚の夫妻を描くNHKの連続テレビ小説「マッサン」が地元大阪でブームになっている。夫婦が暮らした帝塚山界隈のガイドマップが品切れになり、今年見つかったスコットランド人妻の写真を展示する企画展が大人気となったほか、来月からはホテルが夫婦ゆかりの特別メニューを発売。来年から物語の舞台が北海道へと移るのを前に、大阪でイベント開催がピークを迎えている。

 ドラマは「ウイスキーの父」と呼ばれたニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝と、妻でスコットランド人のリタがモデルとされている。

 「4千部用意したんですが、もう在庫がなくて…」

 大阪市住吉区役所の担当者は嬉しい悲鳴をあげた。

 竹鶴夫妻が住んでいたのは住吉区帝塚山で、地元のボランティアガイド団体「すみよし歴史案内人の会」がPRのために、10月に2人が住んでいた界隈を紹介するガイドマップを作成。区役所で無料配布していたが、すでに品切れの状態になっているのだ。

 マップでは、竹鶴夫妻のイラストを入れ、夫婦が住んでいたと推定される場所や、当時のモダン住宅、帝塚山古墳などを図示。区役所によると、「ドラマを見て帝塚山界隈に興味を持ち、もらっていった人が多い」といい、夫婦をしのび帝塚山を訪れる人が多いとみられる。

 26日からは会のガイドが一緒に帝塚山を案内するイベントも始めた。

 マップは区役所では配布されなくなったが、区役所ホームページからダウンロードすれば入手できる。

 地元大阪でのマッサン人気はすさまじい。

 11月にNHK大阪放送局で出演者のトークショーが開催されたが、150人分の整理券に対し約1400人のファンが詰めかけ、行列ができた。

 住吉区役所が10月に竹鶴夫妻が大阪に住んでいた時代を紹介する企画展を開催したところ、2日間で約1400人が訪れたという。戦前に撮影し今年見つかったリタの写真や、リタが英語教員として働いていた小学校の職員名簿などを展示。珍しい資料が人気を集めた。

 区役所の担当者は「テレビをよく見ていると思われる60代以上だけでなく、若い女性も目立っていた」と話す。

 「食」でマッサンの物語を知ってもらおうという動きも出ている。リーガロイヤルホテル大阪(大阪市北区)は12月1日から、特別メニューを販売することを決めた。

 リタのレシピをもとに、当時の味を再現した竹鶴家のローストビーフ(2614円)のほか、夫妻の出会いをイメージしたオリジナルカクテル「ミスティーク・ジュウェル」(1782円)、さらにニッカウヰスキーが竹鶴の志を継ぎ製造している「竹鶴ピュアモルト」で香りづけした「ローストビーフ&ピラフ」(3千円)などを用意。竹鶴夫妻が慣れ親しんだ味などを知ることができる。

 このほか、来年1月15日から、大阪市阿倍野区のあべのハルカス近鉄本店で、10月に区役所で開催したのに続く企画展があり、今年見つかったリタの写真や、竹鶴夫妻が住吉区帝塚山界隈に住んでいたころの洋風住宅模型などが展示される。

最終更新:11月27日(木)11時43分

産経新聞

 

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