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石川ニュース

自民死守か 民主奪還か 県内小選挙区 戦いの軌跡 

中央政界の動きに連動も

 小選挙区導入後の石川県内の衆院選は、補選を除くと一九九六年から前回二〇一二年まで六回あり、石川1区だけ補選があった。二大政党制を目指す中央の動きに連動し、1〜3区も実質的に自民と民主が議席を奪い合ってきたが、前回は自民が独占、民主が議席を失った。十二月二日公示、十四日投開票の今回は、自民が守るか、民主が比例も含め議席回復なるかが焦点だ。 (衆院選取材班)

◇1区◇

 衆院議員を十期務めた奥田敬和氏死去に伴う九八年補選で民主は長男奥田建さんが初当選。以後五回連続、奥田さんと自民馳浩さんが争い、馳さんが三勝二敗。馳さんは二敗時も比例北陸信越ブロックで復活当選し、議席を守り続けた。

 小泉純一郎首相が郵政民営化を掲げた〇五年、民主が政権を失った一二年は、自民圧勝で奥田さんは比例復活ならず。他三回は相手が比例復活する接戦だった。しかし、前回は民主票が日本維新の会(現維新の党)などへ流れ、馳さんが圧勝。毎回全国的な政党支持率の傾向がくっきり反映される。今回は自民が馳さん、民主が前回東京15区で出馬し落選した田中美絵子さん、共産は亀田良典さんが出馬する。

◇2区◇

 当選十四回の自民の森喜朗元首相が連勝を重ねた。民主の一川保夫元防衛相が九六年から三回比例復活したが、〇五年郵政選挙で議席を失った。一川さんは〇七年に参院選でくら替えし当選。〇九年は田中美絵子さんが、民主への政権交代の期待を集め大接戦を演じたが、森さんが底力を発揮した。一二年は森さんの後継、佐々木紀さんが圧勝した。今回は自民の佐々木さん、共産の西村祐士さんの出馬が決まっている。

◇3区◇

 中選挙区時代の三議席は瓦力元防衛庁長官と坂本三十次元官房長官、稲村佐近四郎元国土庁長官の自民三氏(いずれも故人)が切磋琢磨(せっさたくま)。二議席後は瓦、坂本両氏が分け、小選挙区の九六年は調整で瓦氏が当選。

 現職への不満が高まった自民は〇五年、北村茂男さんを擁立し、瓦さんは比例単独へ回り〇九年衆院選前に引退。〇九年は民主新人近藤和也さんが政権交代への期待で勝利、長く続いた自民の牙城を崩した。北村さんは比例復活で議席維持。一二年は北村さんが盤石で、近藤さんは議席を失った。今回は前回同様に北村さんと近藤さんの戦いに共産の渡辺裕子さんが絡む。

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