【シャングリラ(ブラジル南部)=宮本英威】ホンダは26日、ブラジルで風力発電施設を稼働させた。同国内で自動車を年間約14万台生産するのに必要な電力約9万5千メガワットをすべてまかなえる。二酸化炭素(CO2)の排出量は、自動車工場での約3割に相当する年2200万トン以上減らせる見通しだ。
南部リオグランデドスル州シャングリラ市にタービン9基を導入した。支柱の高さは94メートルで、長さ55メートルの3本の羽根で風を受ける。投資金額は1億レアル(約50億円)。発電した電気はいったん送電網に乗せて、シャングリラ市の約1千キロ北に位置する自動車工場のあるスマレ市(サンパウロ州)近郊で受け取る。
ホンダはブラジルで、北部マナウスに二輪車の工場を持ち、四輪車では2015年後半の稼働を予定する第2工場をイチラピナ市(サンパウロ州)で建設している。ブラジル法人のイサオ・ミゾグチ社長は「施設の稼働状況を見極め、将来はすべての生産に必要な電力量を確保するための増設を検討したい」と述べた。
ホンダは全世界で販売する製品のCO2排出量を20年までに00年比で3割減らすとの目標を掲げている。今回のブラジルでの試みもその一環だ。
ホンダ、四輪車工場