国会の「甘え」に不信感 昨年参院選めぐる最高裁判決
産経新聞 11月27日(木)7時55分配信
参院選の「一票の格差」をめぐり、最高裁は格差是正に向けた国会の取り組みを一定程度評価し、前回の判決に続き「違憲状態」にとどめたが、改正公選法付則が選挙制度の抜本的見直しの目標時期と定めた平成28年選挙を事実上の「是正期限」と位置づけた。国会に猶予を与えるとともに、残された期間内に格差解消に向けた「努力」を尽くすよう強く促した形だ。
同種訴訟ではかつて「衆院3倍未満、参院6倍未満」の格差が合憲ラインとされたが、近年は格差の常態化が問題視され、この枠にとどまらない厳しい判断が示されてきた。今回、最大4・77倍の参院選を「合憲」とした高裁判決がゼロだったのも、司法からの度重なる警告を、小幅是正でしのいできた国会への不信感の表れだろう。最高裁も、選挙に適用された定数の「4増4減」改正は「違憲状態を解消するには不十分だった」と指摘した。
最高裁は参院選で過去一度も「違憲」判決には踏み切らず、国会の取り組みを根気強く促してきたが、国会の対応には「最高裁に違憲判決は出せない」との甘えも透ける。特に参院では都道府県単位の選挙区の見直しという抜本的改革を求めており、自主是正に期待するだけでは司法の警告にも限界がある。
有権者が格差を受け入れる時代は終わった。28年選挙までに国会が一定の成果を示せなければ、参院選で初の最高裁「違憲」判決も現実味を帯びてくることになるだろう。(滝口亜希)
最終更新:11月27日(木)9時55分
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