岩村明憲【拡大】
日米で通算18年間プレーした岩村。原発事故被災地の福島県を新たな挑戦の地に選んだ。福島に初めて誕生したプロ野球球団「福島ホープス」の初代監督に就任する。
先月1日にヤクルトから戦力外通告を受けたが、来季も現役続行。「福島ホープス」で選手兼任監督として、白羽の矢が立てられた。
昨季、7年ぶりにヤクルトに復帰。この2年間は114試合で打率・245、4本塁打と不本意に終わった。それだけに、現役続行に対する思いは強く、国内外に移籍先を探してきた。
しかし、NPBの球団からオファーは届かず。大リーグのトライアウトに挑戦する考えもあったが、かつて巨人、西武で投手としてプレーした福島ホープスの小野剛ゼネラルマネジャーからラブコールを受けた。岩村は選手兼任監督の挑戦を決意。28日に球団から正式発表される。
チームは本拠地を置かず、県内の9球場をホームグラウンドと位置づけ、広くチームをPRする方針。ホープス(望み)には「野球を通して地域が元気になり、子供たちに夢をもってほしい」との願いが込められている。岩村の豪快な一振りと采配が、震災から復興を目指す「望み」となる。
福島ホープス
来春から独立リーグのルートインBCリーグに参入する新球団。かつて巨人、西武に在籍した小野剛(ごう)氏がGMを務める。本拠地球場を設けず、福島県内の各球場で試合を行う予定。マスコットは県鳥の「キビタキ」がモデル。球団代表は郡山市に本社をおく中古車販売業「扇」の社長・扇谷富幸氏。
岩村 明憲(いわむら・あきのり)
1979(昭和54)年2月9日生まれ、35歳。愛媛県出身。宇和島東高から97年ドラフト2位でヤクルト入団。06年オフに旧ポスティングシステムでデビルレイズ(現レイズ)へ移籍。08年はチーム初のリーグ優勝に貢献した。パイレーツを経て10年オフにアスレチックスを解雇され、11年に楽天入団。昨年ヤクルトに復帰したが、今季限りで退団した。06、09年WBC日本代表。1メートル75、92キロ。右投げ左打ち。既婚。
(紙面から)