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労組への便宜供与はしない。 そう定めた「労使関係条例」を根拠に、教育…
労組への便宜供与はしない。
そう定めた「労使関係条例」を根拠に、教育研究集会を小学校で開こうとした大阪市教職員組合に会場を貸さなかった大阪市の対応について、きのう、大阪地裁が違法と判断し、組合への賠償を命じた。
注目されるのは、市の不当労働行為などを正当化するためにこの条例の条項を使えば、「職員の団結権を保障した憲法に違反する」と踏み込んだことだ。
大阪市は「違憲」の指摘を受け止め、すみやかに条例の見直しに取り組むべきである。
教研集会は、教職員が授業や課外活動など日頃の研究の成果を報告し、参加者が意見を交わしながら自主的に学びあう場だ。子どもや保護者が参加することもあり、待遇改善などを求める労働運動としての色彩は強いとはいえない。それにもかかわらず、大阪市は労組の主催というだけで条例を適用し、学校から閉め出した。
市当局が作った当初の条例案には「労組活動に対する市の便宜供与は、適正かつ健全な労使関係が確保されていると認められない限り行わない」と、留保がつけられていた。それを橋下徹市長の指示で一律に「全面禁止」とした経緯がある。
大阪市では2004年から05年にかけ、市職員のヤミ年金やヤミ退職金など非常識な職員厚遇ぶりが次々と明らかになり、いびつな労使関係が問題になってきた。橋下氏が大阪府知事から転身した11年の市長選では、対立候補の現職を市職員の労組が職務中に支援していたこともあり、「組合と市役所の体質をグレートリセットして、一から考え直したい」とする橋下氏の考えには、一定の理があった。
だからといって、労組への便宜供与を一律にやめてしまうのはやり過ぎだ。判決が「橋下市長は職員の団結権を侵害する意図をも有していたとみざるを得ない」と指摘した通りである。
大阪地裁は9月にも、この条例を根拠に市庁舎から労組事務所を撤去させた大阪市の対応について同じ判断を示している。市は控訴中だが、司法が2度にわたって条例の問題を指摘した事実は重い。
橋下市長はこれ以外にも、労組とのかかわりなどを尋ねるアンケートを職員に強制したり、組合費の給与からの天引きを廃止したりした。だが大阪府労働委員会などでいずれも「不当」と認定されている。
これ以上、労使間の不毛な対立に時間を費やすべきではない。大阪市が取り組むべき課題は、ほかに山ほどある。
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