11月19日に東京・東京キネマ倶楽部にて、NHK BSプレミアムの音楽番組「The Covers」の公開収録イベントが行われた。

「The Covers」はリリー・フランキーと夏菜がMCを務め、ゲストアーティストが思い出の楽曲をカバーする音楽番組。この日は森山直太朗、大塚愛、高橋優、怒髪天、野宮真貴、順弘子が登場した。トップバッターの森山は、ストリングスやホーンセクションを交えたビッグバンド編成で布施明「シクラメンのかほり」を伸びやかに歌唱し、続く大塚は大人の色香を漂わせながら笠置シヅ子「買物ブギー」を披露。元グランドキャバレーという会場に似合う楽曲でムーディな雰囲気を演出した。

高橋は、リリーに「今日は特別にモノマネで歌ってくれるそうです」と“ムチャぶり”されながらも井上陽水「少年時代」を楽しそうにカバー。そしてアコースティックギターの弾き語りで中島みゆき「ファイト」を鬼気迫る表情で歌い上げた。

高橋、大塚、森山、MC陣の5人によるトークパートでは、高橋と森山が「女性に歌われるとグッとくる曲」を紹介。高橋がテレサ・テン「時の流れに身をまかせ」を挙げると、大塚から「ドSなの？」とツッコまれる一幕も。一方森山は、「飲みすぎたのは あなたのせいよ」のフレーズで有名な葵司朗と日野美歌による「男と女のラブゲーム」を選曲。大塚から「女ったらしっぽい」と言われるも「僕は“女ったらし”に手足がはえて歩いているようなものですから」とユーモラスに切り返して会場の笑いを誘った。

イベント中盤に登場した怒髪天は自身のアルバム「桜吹雪と男呼唄」でもカバーしている高倉健「唐獅子牡丹」を、こぶしを効かせながら熱唱。さらに増子直純（Vo）は、酒を飲む仕草や酔っ払った振りをしながら萩原健一「ぐでんぐでん」を歌い踊ってフロアを盛り上げた。またリリーが隠れた名曲を紹介するコーナー「うもれうた」では、以前番組で取り上げた順弘子「さっそく振込みありがとう」を再びピックアップ。順本人も着物姿で登場して「この番組で紹介されたおかげで通信カラオケに配信された」と礼を述べ、生歌を聴かせた。

その後、この日2度目のステージとなる大塚が電気グルーヴ「Shangri-La」をセクシーに届ける。続く野宮真貴は、“渋谷系”の同朋である小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」と、トワ・エ・モア「或る日突然」を軽妙なアンサンブルに乗せて披露し、森山はドラマ「若者たち2014」の主題歌としても話題を呼んだザ・ブロードサイド・フォーの「若者たち」をカバー。最後は全員で「思い出のサンフランシスコ」をパフォーマンスしておよそ2時間半にわたったイベントを締めくくった。

このイベントの模様はNHK BSプレミアムにて、12月10日（水）22:00より1時間に凝縮して放送される。