434人が水俣病と診断 熊本、鹿児島の一斉検診で
水俣病被害者救済法の対象地域外の住民を中心に、熊本、鹿児島両県で10~11月に2年ぶりに実施した水俣病一斉大規模検診で、被害者団体「水俣病不知火患者会」などでつくる実行委員会は26日、受診者447人(42~93歳)の約97%に当たる434人に手足先のしびれ(感覚障害)などの特有症状を確認し、水俣病と診断されたと発表した。8人は「水俣病の疑いがある」として再検診する。
受診者の中には、救済法に申請したが「非該当」とされた147人が含まれ、うち146人が水俣病と診断された。また、救済法の対象地域に居住歴がない289人(非該当や未申請者を含む)のうち288人も水俣病と診断された。不知火海沿岸だけでなく、山間部にもメチル水銀被害の広がりを示す結果となった。
記者会見した実行委員長の藤野糺(ただし)医師は「救済法の対象や、対象者判定に向けた公的検診が、極めて問題であることが明確になった」と述べた。
水俣病と診断された人は、同会が国などに損害賠償を求めている訴訟に参加する予定。
=2014/11/26 西日本新聞=