近所の、しまむらをさらにグレードダウンさせたような洋品店で母が買ってきた服を、何の恥かしみもなく着ていた。
で、大学進学と同時に親元を離れても、私のマインドセットは変わらなかった。
恐ろしい話だが、大学4年間プラス大学院2年、都合6年間『ママが買った服を着続けた』
服なんて暑さ寒さがしのげれば十分じゃないかと思っているのだ。洞穴に住む原始人みたいな考えである。
服は破れるまで着る。肌着は1~3年くらいでダメになるから新しいのを時々買うが、他の服は買ったことがない。
しかし最近になって『ママの買った服』が次々と耐用年数を迎え始めたのだ。高度経済成長期に造ったインフラの現状に似ている。
困っている。
タイミングが悪い。今はカネが無いのだ。
諸事あってまとまった冊数の本を買わねばならず、月に数万円はAmazonに貢いでいる。
ふと『実家に服の無心をする』という考えが脳裏をよぎったが、悪夢にもほどがある。
また十年くらい『ママが買った服』を着ることになるのだ。
外用の服一セットぐらいユニクロなりしまむらなりで2万もあれば揃うだろ。