インフラ老朽化の対応策の一つとして、「官民連携」への期待は大きい。これまで、国や自治体などのインフラ管理者が担っていた維持管理の仕事を、民間の事業者に委ねることによって、新たな工夫や効率的な取り組みを導こうという考えに基づく。しかし、官民連携には課題もある。管理コストが莫大になり、収益を見込みにくいケースが多いのだ。そこで注目されているのが、生活に密着したインフラについては市民の協力を仰ぐ取り組みだ。千葉市が2014年9月に開始した「ちば市民協働レポート(ちばレポ)」を紹介する。
インフラ老朽化対策における民間活用では、民間企業が持つ技術的な解決策を取り込むだけでなく、民間企業による経営手法や資金などを取り込むことによって、厳しい財政状況下において、必要なインフラを維持していくという狙いもある。
既に空港などでは、その運営権を民間事業者に長期間にわたって付与する制度を利用する動きが出始めている。インフラの経営主体が民間事業者に移り変わっていくケースは、これから増えていくだろう。
大規模インフラを中心に、運営を民間事業者に委ねて、経営効率の向上などを図ろうという動きが加速している(写真:日経コンストラクション)
ただ、こうした仕組みを導入できるのは、一定の利益を見込める大規模なインフラが中心となる。
■スマホ片手に市民が報告
いわゆる生活道路をはじめとした身近なインフラでの官民連携は、インフラ管理者がその管理責任の根幹を維持しながら、維持管理業務を部分的に民間委託するようなケースにとどまる可能性が高い。全体の管理に要するコストが莫大になりかねず、収益が見込みにくいからだ。
一方、生活に密着したインフラであれば、市民に協力を仰ぐことが一つの解決策になる。自ら利用する身近なインフラであれば、市民がボランティアとして手を挙げてくれることを期待できる。加えて、日常的にインフラを監視・点検してもらえるので、変状などを早期に発見できる可能性も高まる。
そうした取り組みを始めたのが千葉市だ。同市は2014年9月から市民が日常生活において発見した道路などの異状を、スマートフォン(スマホ)などの端末を用いて市に報告してもらう「ちば市民協働レポート(ちばレポ)」と呼ぶ取り組みを本格的に開始した。
日本マイクロソフト、セールスフォース・ドットコム、千葉市、官民連携、老朽インフラ
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