「好きなこと」だけして生きていく10の法則
「好きなこと」だけして生きていく。
簡単なことと感じるだろうか?それとも、とてつもなく難しいと感じるだろうか。
僕は3年半ほど前に、人生における大きなジャンプを経験した。
表面的に言うと、17年間勤めた会社を退職してフリーのブロガーとして独立をしたのだ。
そしてそれは、表面的な変化以上に、僕に大きな変化をもたらした。
それは、「好きなこと」だけして生きていく道への通行手形だったのだ。
それまでの僕はずっと、「自分がやりたいことをやるのではなく、『やるべきこと』をやるのが紳士である」という村上春樹さんの言葉を信じて生きてきた。
裏返せば、「僕は生きたいようには生きられない」「やりたいことはやれない運命だ」と信じていたのだ。
しかし、実際にフリーブロガーになってみて、「ああ、これこそが自由なんだ」と日々実感するごとに、あの大ジャンプこそが僕の転換点だったと感じている。
好きなことだけして生きていく。
そのことをテーマにした素敵な本を読んだ。
心理カウンセラー、心屋仁之助さんの最新刊「「好きなこと」だけして生きていく。」だ。
「好きなこと」だけして生きていく。
心屋 仁之助 PHP研究所 2014-11-15
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僕が日々実感していることがそのまま文字になって書かれていた。
このエントリーでは、心屋さんの本から抽出した、僕がとくに共感した12のポイントを紹介したい。
「好きなこと」だけして生きていく10の法則
1. 人生はあなたが思っているよりずっと甘くて優しい
「頑張って結果を出さないとダメだ」
そう思っている人はとても多い。僕も以前はそう思っていた。
「努力すれば報われる」と思って必死に頑張っている人も多い。僕も以前は必死に頑張っていた。
この考え方をしていると、「頑張っていない自分」「努力していない自分」には「価値がない」ことを同時に信じてしまうことになる。
そのままの自分がそこにいてはダメなのだ。
「もっと頑張らなくちゃ」と自分を追い立て、誰かに「アイツは怠けている」と思われたらどうしようと脅え、過剰に反応する。
結果が出ないと「やっぱり自分なんかダメだ」と自分を否定して、「自分には価値がない」と決めつけてしまう。
「好きなこと」だけして生きていくためには、まず何よりも「自分には価値がある」と思い込むことだ。
心屋さんの言葉を引用しよう。
「自分には価値がないと思っている→価値を認めてもらえるように頑張る→でも頑張っても報われない→ますます自分には価値がないと思ってしまう。
この悪循環をひっくり返すだけ。
つまりこうです。
自分には価値があると思ってみる→価値があるから頑張らず自然体でいると、成果が上がる→頑張らなくても報われる→ますます自分には価値があると思うようになる」
人生はそんなに甘いもんじゃない!
そう感じただろうか?
ここで大切なのは、自分に価値があると、まずは思い込めるかどうかだ。
「人生はあなたが思っているよりもずっと甘くて優しい」
どんどん好きなことをやって生きている人は、それを本気で信じているのだ。
2. 何でも「自力だけ」でやらなければと考えるのをやめる
自分の価値を信じられない人は、誰かが自分のために力を貸してくれるということを信じることができない。
しかし、人間独りでできることは、とても小さく、エネルギーも湧いてこない。
「一人でしなければいけない」思い込んでいる自分の考えを捨て、「他力」、人の力をどんどん借りるようにしよう。
心屋さんは井戸掘りと川から溝を掘って水を引くことを例に挙げている。
ある男が水を得るために、一人で井戸を掘っていた。毎日掘ってもなかなか水は湧いてこない。
しかし、水は自力で得なければならないと思い込んでいたその男は、近くに川が流れているのには目もくれず、ラクをして水を得ている人を見ると「ズルイ」と腹を立てていた。
そんな男がある日ふと冷静になり、周囲を見回した。
周囲には豊かな川の流れがあり、たくさんの人がいた。
そこで男は全部を自力でやるのをやめ、周りの人に手伝ってもらうことにした。
「すみません、溝を掘ってもらっていいですか?」と叫んでみた。
すると、たくさんの人が集まってきて、溝を掘ってくれたのだ。
彼の周囲には、溝を掘りたい人、掘るのが得意な人、好きな人がたくさんいたのだ。
あっという間に溝は完成し、男は水際に寝転んで何の心配もなく好きなことをして暮らせるようになった。
そして、その水を、溝を掘ってくれた人たちと分け合うことで、彼らにもとても感謝されるようになった。
「自分が」を捨てて、「他力」に頼ろう。
人を信頼することで、力を集約して、やりたいことを実現するスピードを加速させていく。
他力には何万倍ものパワーがあるのだ。
3. ずらっと並ぶハードルを飛び越えるのではなく、その脇の平坦な道を歩けば良い
僕たちは子供のころから、親や学校の先生などから、常に「頑張って」「頑張りなさい」と言われ続けてきた。
すると、僕たちは「頑張れば、ほめてもらえる」「頑張れば、認めてもらえる」という図式でものごとを捉えがちになる。
しかしそれは裏返せば、「頑張らないと認めてもらえない」ということになる。
さらにいうと、「やみくもに頑張ってさえいればいいのだ」という思考停止状態をも招いてしまう。
ずらっとハードルが並んでいると、それをどんどん越えることで「頑張っている」と自分を認められる。
ハードルか高くなればなるほど、達成感も大きくなるかもしれない。
でも、そもそも、あなたの前にずらっと並んでいるハードルは、飛ばなきゃいけないものなのだろうか?
ハードルの横には平坦で歩きやすい道がある。
そこを一直線に突っ走れば、もっとずっと速く楽にゴールに辿り着ける。
「ハードルを飛ばずに脇を歩くなんて、そんなのズルです」
あなたはそう言うだろうか。
心屋さんはこう言っている。
「そう思うから、あなたには最初から脇を通る道は見えないのです」。
あなたのまわりには、脇のたいらな道を歩いてあなたを追い越していく人がたくさんいる。
どんどん認められ、どんどん好きなことを実現している人がたくさんいる。
そのことに気づくことが、あなたにとっての最初のハードルなのかもしれない。
「ハードルなんていらなかった。越える必要なんてなかった」
それが、自分の本当の価値を見つけることなのだ。
4. 「罪悪感」があると幸せや豊かさを受け取ることができない
好きなことができない人は、好きに生きてはいけないと思って生きている。
「自分には価値がないので、価値がない私が好き勝手に生きてはいけないと思っている」のだ。
「自分には価値がない」という罪悪感があるのだ。
罪悪感がある人は、自然とお金さえも遠ざけて生きてしまう。
価値がない自分にお金はふさわしくないと信じ込んでいるからだ。
罪悪感が強い人が、お金持ちの異性と知り合うと、「私には釣り合わない」「私のタイプではない」と必死に遠ざけてしまう。
せっかく目の前に好きなことだけして生きていけるきっかけがやってきても、なかったことにして、封印してしまう。
心の中の罪悪感が、あなたの可能性をすべて放棄させてしまうのだ。
5. 「自分には価値がある」と決めると価値のある人生がやってくる
大切なことは、「自分には価値がある」と自分自身で決めることだ。
あなたにその価値を与えてくれるのは、他人ではなく、自分なのだ。
どんなに仕事を頑張っても、どんなにイヤなことを誰かのためにガマンしても、他人はあなたにその価値を与えてくれない。
「自分には価値がある」と決められるのは、あなただけ。
だから、今からそう決めよう。これがすべてのキッカケになる。
自分に「才能」や「魅力」、そして「存在価値」がめっちゃ溢れている、と思い込むのだ。
心屋さんも書いているが、僕自身もこの大転換が僕の人生を大きく変えたと思っている。
「何をやっても上手くいかない」「どうせ自分は生きたいように生きられない運命」と思い込んでいたのを、頑張ってやめたのだ。
そして、「自分はやりたいことをやって生きてもいい」「やりたいことをする価値がある人間だ」と決めたのだ。
これを決めることによって、すべての歯車が逆に回り始めた。
たくさんの人にブログを読んでもらえるようになり、セミナーにも多くの方が参加してくださり、本も6冊も出せるようになった。
「自分に価値がない」と思っていたら、自分が書いたものを読んでもらったり、自分が話すことを聴いてもらってお金をいただくなんて、考えることもできなかっただろう。
「自分には価値がある」と決めると価値がある人生がやってくるのだ。
「決める」ことが大切だ。
6. 「好きなこと」と「ラクなこと」は違う
「好きなことができない」と思っている人は、多くの場合「嫌われること」を過剰に怖れている。
100人の人がいれば、「好きなこと」「やりたいこと」は100通りある。
自分に価値がないと思っている人は、自分がやりたいことをやったら、誰かにイヤな思いをさせると思い込んでいるのだ。
好きなことをするということは、波風が立とうが、他人に迷惑をかけようが、嫌われようが、やり抜くという覚悟がいるのだ。
心屋さんの言葉を引用しよう。
「好きなことをしようと思ったら、人に迷惑をかけて、嫌われる覚悟がいります。
安定を手放すとか、収入をなくすとか、築いてきた地位や立場を捨てるとか、とにかく一番恐ろしくて、絶対それだけはありえない、というところに飛び込まないと、好きなことをしては生きていけません。
つまり好きなことをするには、一番嫌なことをしなければいけないのです。
でもラクなことというのは、人から嫌われないようにすることです。
人から批判されたり、憎まれたり、無能だと思われたりして、自分の周りに波風がたつのはラクな生き方ではありません。
だから上手に嫌われないことばかり選んで逃げ回っていくのがラクな生き方です。
でもその生き方だと、いつも周りにふり回されてしまうので、自分を見失い、好きなことができません。
あなたがもし「ラクな生き方」ではなく、好きなことをして生きていきたいと思うのなら、「嫌われてもいい」「非難されてもいい」という「他人軸」のハードルを越えないといけないのです。
他人の意見に迎合して自分を押し殺して生きていくのは、ある意味ではラクなのだ。
上司の意見に従い嫌な仕事を続け、夜に同僚と愚痴を言い合っている人生は、辛そうに思えてラクな人生なのだ。
なぜなら、人の悪口をいって、他人に「自分がやりたいようにできない」責任を押しつけて、自分は言われたとおりにして生きているからだ。
「ラクな人生」と「好きなことをする人生」、似ているようで、実は正反対なのだ。
7. 自分を「そこそこ」だと思っていると「そこそこ」の結果しか出ない
どうせ好きなことをして生きていくなら、自分を「そこそこ」だと思わず、「実はすごい人間」だと思い切ることだ。
自分で自分を「そこそこ」だと思っていると、人生のすべての選択は「そこそこ」の結果に至る道となってしまう。
「そこそこ」の場所というのは、トップでもない代わりに底辺でもない。
実は、「好きなこと」をしていくうえでは、一番安全な場所なのだ。
しかし、「そこそこ」な場所は、一番安全ではあるけれど、あまり楽しくもない、中途半端な場所なのだ。
「そこそこ」の人生をやめて、「すごい」人生に舵を切るためには、自分で自分のことを「すごい人間」だと決めることだ。
すごい人間には、「才能」「徳」「魅力」が備わっているものだ。
そこそこの人は、自分の器以上の結果が出ると、「ふさわしくない」と勝手に天井を決めて、その結果が続かないようにしてしまう。
その天井を取っ払うのだ。
自分を「すごい」と思い込むことで、自分も周囲も「すごい人だから」と動き出すのだ。
僕自身はまだ心屋さんの心境には至れていないことをこの文章を書いて痛感している。
僕自身も自分をもっと「すごい人」と思い込むよう、努力しよう。
8. 妬んでくるような人からは好かれなくていい
僕自身にも経験があるから分かるのだが、好きなことをして生きるようにすると、人から妬まれるようになる。
誰から妬まれるのか?
それは、「好き勝手に生きていない人」から妬まれるのだ。
「なんで、あの人ばっかり」「ズルい」「きっと裏で汚いことをしているんだろう」
悪口を言われたり、まったく身に覚えがない誹謗・中傷をされることもある。
ここで大切なのは、それらの妬みから来る悪口や誹謗中傷に負けないことだ。
方法としては「スルー」しかない。
妬みから悪口を言ったり悪意のある行動を取るような人と、あなたは仲良くなりたいだろうか?
そんな、くだらない人から好かれようと思ったら、あなたは自分を殺して好きなことをやめ、我慢して生きるようにしなければならない。
くだらない人のために、あなたは自分のやりたいことを止めますか?
そんな道理はないだろう。
心屋さんは「妬まれないように気をつかうこと自体がエネルギーの無駄です」と断言している。
妬む側ではなく妬まれる側に存在できていることを喜ばしく思い、華麗にスルーして生きていこう。
9. 「やりたいけどできない」のは、やりたくないから
やりたいことがある。でもさまざまな理由があってできない。
セミナー会場などで、そう言ってくる人がたくさんいる。
最近僕はそんなときには、「それは好きじゃないんでやめてしまいましょう」と言うことにしている。
「ブログが書きたいんですが、全然続かないので良いコツはないでしょうか?」と言ってくる人にもこう言っている。
「続けるためのコツはテクニックとしてはあるけれど、そもそも書きたくないものを我慢して書く理由はないんだから、やめれば?」と。
僕たちの「やりたい」には、実は2種類あるのだ。
1つは「本当にやりたい」と思っていること。
もう1つは損得や見栄、流行などの他人軸によって「やりたいと思い込んでいること」だ。
この2つを僕たち人間は、実際にやってみるまではほとんど区別することができない。
「ブロガーとして世界を旅して自由に生きてお金を稼いでいる人」
そんな人の記事を読んだり講演を聴いて、「私もそんな生き方をしたい!ブログを書こう」と思う。
それ自体は悪いことではないのだが、ここで一つきちんと見極めるべきことがある。
それは、「本当に自分はブログが好きなのか」「それとも、ブロガーっぽい生き方が好きなのか」のどちらなのかだ。
「好きなことなのに続けれらない」というのは、ほとんどの場合、本当には好きではないことを、「好きだと思い込んでいる」ことが原因のことが多い。
本当に好きなことは、多少苦しくても面倒でも続けられるものだ。
だからこそ、先送りせずにどんどん色んな「やりたい」を試してみる必要があるのだ。
10. 不幸を選んでしまうクセがある人は「かわいそうな私」を手放そう
「私は好きなことなんかして生きていけない」と言っている人の中には、「かわいそうな私」でいることが大好きな人がいる。
それはつまり、「私はこんなにけなげで一生懸命働いているのに、ちっとも報われず不幸です」という自分を、他人から同情してもらうことが好きな人なのだ。
人から注目してもらう手段、つまり自分を認めてもらう方法が、「かわいそうな自分でいつづけること」になってしまっている。
この思考パターンに陥っている人は、自分から幸せになることが非常に難しい。
なぜなら、すでに「かわいそうな私でいつづけること」が「好きなことをしている」こととイコールになってしまっているからだ。
自分がやりたいことをやって幸せな人生をつかんでしまうと、周囲はもう自分を「かわいそうな人」とは見てくれなくなる。
それはその人にとって最大のタブーなのだ。
もしあなたに「かわいそうな私」をその手に大切に握りしめているという自覚があるなら、その自分を手放すことが最初の一歩になる。
心屋さんも「それはとても怖いことです」と書いている。
しかし、「でも勇気を出して思い切って手放したとき、新しい世界が広がります」とも書かれている。
自分の不幸自慢に終止符を打てるのも、実は自分だけなのだと知ろう。
まとめ
好きなこと「だけ」して生きていく。
これはとても深遠なテーマだ。
ある部分禅問答のようになってしまう部分もある。
実際に体感した本人はすごく合理的に感じて書いていても、まだ「好きなことをして生きている」という実感がない人が読むと、さっぱり意味が分からないというケースもあるだろう。
もし、あなたが「好きなことだけして生きていく」というキーワードに強い違和感や腹立たしさを感じたなら、それはあなたの潜在意識が何かをあなたに訴えかけているサインかもしれない。
20世紀にはできなかった、好きなことだけして生きるための、さまざまなツールやデバイス、環境は出揃いつつある。
しかし、ツールやデバイスの使いこなしのテクニックをどんなに学んだところで、肝心の人間が「そんなことできるわけない」と思っていては、永遠に好きなことだけして生きられるようにはならない。
本書の帯に書かれているとおり、「やりたくないことをやめることから、始めよう!」というのが、最初の一歩なのだろう。
「それも無理!」と感じるならば、せめて「やりたくないことの時間を減らし、やりたいことの時間を増やす」からスタートして欲しい。
好きなことだけして生きていく。
チャレンジしがいのあるテーマだとは思わないだろうか?
僕はいまの僕の人生を、とても気に入っている。
あなたも一歩踏み出してみてはどうだろうか?
「好きなこと」だけして生きていく。
心屋 仁之助 PHP研究所 2014-11-15
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立花 岳志 大和書房 2014-03-22
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