対馬で仏像窃盗の韓国人5人逮捕 大般若経も所持、余罪追及

11/26 00:20
2012年、韓国人による仏像などの盗難事件が起きた長崎県の対馬市で、24日、市の文化財に指定されている仏像が盗まれた。
逮捕されたのは、またしても韓国人だった。
相次ぐ仏像盗難の背景を探るため、古物商を緊急取材したところ、仏像の価格に異変が起きていることがわかった。
東京・銀座にある古物商には、歴史を感じる、さまざまな仏像が立ち並んでいた。
その中に、右手を挙げている仏像があった。
大地を指す左手に、天を指す右手。
これは「天上天下唯我独尊」の言葉で知られる、お釈迦(しゃか)様の誕生の姿をかたどった「誕生仏」と呼ばれる仏像という。
古美術 栄林堂の森田 善次郎氏は「これは、江戸のものですけど、もっと平安時分からありますからね。そういうものは、もう、べらぼうに高いです」と話した。
この誕生仏をめぐり、24日、韓国人による窃盗事件が、長崎県の対馬で起きた。
被害に遭った梅林寺の住職は「だから、何度同じことを繰り返すかな。これは、自分としては許すことはできんと」と怒りをあらわにした。
盗まれたのは、9世紀に朝鮮半島で作られ、市の有形文化財に指定されている誕生仏だった。
梅林寺の住職は「通報が早かったから、確保してくれた。水際で押さえた、出国する前に」と話した。
住職は24日午後2時ごろ、仏像がないことに気づき、警察に通報し、対馬南部の港で、釜山(プサン)行きの定期船を待つ男らを、警察が発見した。
窃盗の容疑で逮捕されたのは、韓国人の自称住職、金相鎬(キム・サンホ)容疑者(70)ら5人の男。
金容疑者らは、本堂の隣にある倉庫の鍵を壊して侵入し、中にあった仏像を盗んだという。
金容疑者は、ほかにも梅林寺に保管されていた大般若経も持っていて、警察は、余罪を追及している。
対馬では、2012年にも、韓国人の窃盗グループによって、有形文化財に指定されている観世音菩薩(ぼさつ)像などが盗まれ、韓国に持ち出されている。
仏像は、韓国国内で押収されたが、その後、思わぬ事態になった。
韓国・寺院側は「仏像は、そもそも韓国で作られたものだ」と主張。
韓国の裁判所は、返還を差し止める仮処分を下し、いまだ仏像は帰ってきていない。
この窃盗グループは、盗んだ仏像を転売しようとしていたとみられている。
今回、盗難に遭った誕生仏の一般的なものの価値について、栄林堂の森田氏は「今、なぜかね、誕生仏は高くなっているんだよね。だいたい、5・6万(円)から10万(円)ぐらいで今、取引されています」と話した。
特に今回、盗難された誕生仏のように、室町時代より前に作られたものであれば、その価格は一気に跳ね上がるという。
森田氏は「極端なことを言えば、何百万(円)になる可能性があるということ。室町時分から、仏様っていうのは、一般庶民が持つようになったわけ。それまで、貴族しか持てなかった」と話した。
今回の盗難の目的について、店の人は「盗まれたっていうのは、そういうのは、向こう(自国)に持っていけば、金になるってことわかるから。だいたい、どこかへ転売しようと思って、盗むということはありますよ」と話した。
この古物商によると、数年前に仏像全体の価格が、一時およそ10倍にまで高騰したこともあったという。
2008年には、鎌倉時代初期の仏師・運慶が作ったとみられる木造大日如来座像が、およそ14億円で落札された。
世界的に高まる、仏像などの美術品への関心。
東北のある美術館の館長は、韓国とは異なる国の名前を挙げた。
山形 美術館 蟹仙洞の長谷川 浩一館長は「(2012年)中国人がグループでやってきたのは、買い付けをしたいというか、売ってくれないかということで。数年前から、中国が非常に景気が良くなったという状況から、連動しているんじゃないかと思っているんですが」と話した。
今回、盗み出された誕生仏は、日本や東洋の工芸にくわしい、富山大学大学院の大熊敏之教授によると、何らかの理由で、国内市場に出た場合は数百万円、500万円以内の価格になるのではないかという。
しかし、この仏像が、中国などに持ち出されると、投機の対象として取引され、日本の10倍ほどの価格、数千万円ほどに跳ね上がることもあるという。

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