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JR、三鉄移管へ30億円 山田線復旧・沿岸首長会議

 (11/26)
年内に方針決定

 東日本大震災で被災し運休しているJR山田線宮古―釜石間(55・4キロ)の復旧に向けた県と沿岸市町村首長会議は25日、盛岡市内で開かれた。JR東日本が提案している三陸鉄道への運営移管に関し、JR側と県の協議結果が明らかにされ、JRが赤字想定額の補(ほ)塡(てん)などを勘案した移管協力金(一時金)30億円を負担することが示された。住民に対する説明などを経て、年内に再度会議を開いて移管に関する方針を決定する。

 非公開で行われた会議には沿岸12市町村の首長らと達増拓也知事、三陸鉄道の望月正彦社長が出席した。

 山田線復旧に向けては、8月の同会議でJRが提案する三陸鉄道による運営移管を「有力な選択肢」とする方針を確認。これに伴い、JRと県が条件面の詰めの協議を重ねてきた。

 JRに対しては運営移管となった場合に施設・設備の維持管理コストを可能な限り低減するよう▽赤字想定額の補塡▽運賃差額の補塡▽災害時、施設・設備更新時の費用負担▽三陸鉄道が求める施設整備など-を要請。今回明らかになった協議結果では、山田線の持続的な経営のための支援、自治体による運賃差額の補助、設備更新のための対応などの費用として、移管協力金としてJRが30億円を負担するとされた。

 加えて運行に必要な車両の無償譲渡や、レールや枕木交換などの軌道強化、検修庫・施設管理拠点の整備、人的支援、観光キャンペーンなどによる地域活性化、利用促進への協力なども盛り込まれた。

 これらについて、終了後に取材に応じた達増知事は「震災で失われた鉄路の復旧と、その後の三陸鉄道に移管された場合に持続的な運営が可能となる希望が持てる内容」と評価した。沿線市町村でも好意的に受け止める声が多く、山本正徳宮古市長は「今回の提案については一定の評価ができる」、碇川豊大槌町長も「年内に一定の方向性を出していこうという雰囲気になってきたことは評価したい」と述べた。

 今後は各市町村では、今回の協議結果について議会や住民に対する説明を行った上で、年内に同会議を開催して方針を決定する見通し。
【写真】山田線の三陸鉄道への運営移管に向け、JRが移管協力金30億円を負担する案が示された首長会議