朝日新聞は11月25日付朝刊で、15日に開いた「信頼回復と再生のための委員会」第3回会合の議論の詳しい内容や読者との「車座集会」の模様などを1面を使って掲載した。会合では、訂正記事のあり方についても議論が行われたという。朝日新聞社のホームページで全文公開されている。(既報あり=11月17日付トピックス:朝日の信頼再生委 「主張と事実の切り分けを」と指摘も)
同紙によれば、江川紹子委員(ジャーナリスト)が、①訂正と反論を積極的に掲載する、②誤報こそ読者目線で認定する、③誤報欄を新設する、④誤報の原因も掲載する、といった提言を行った。一方で、「意図的、悪質な誤報以外は記者を処分すべきでない。積極的な訂正はむしろプラス評価するぐらいの姿勢が必要だ」と話した。国広正委員(弁護士)も、「訂正は恥ではない。訂正は信頼のもとだと考えるべきだ。他方、会社の体質から生じた誤報については一線の記者だけに責めを負わせてはならない」と述べたという。こうした議論を踏まえ、紙面づくりの責任者であるゼネラルマネージャーに就任した長典俊氏が「ファクト(事実)に謙虚に向き合い、事実と論とを峻別し、読者の目線でどのような印象を持たれるかを意識して記事を書くように指示しています。検証に堪えうる記事にするということを意識しています」と取り組みを説明したとしている。
大阪で開かれた読者との車座集会では、読者から慰安婦報道や「吉田調書」報道の問題について「企業の存続が許されるのかというくらいの問題。企業として社会的責任の自覚が足りない」などの批判や失望の声が相次いだという。古市憲寿委員(社会学者)が名古屋本社の記者らと取材・報道のあり方について議論したときの様子も紹介されている。
信頼再生委は、社内・社外の委員8名で構成され、年内にも「再生プラン」をとりまとめる予定。
- 信頼回復と再生のための委員会 第3回会合 (朝日新聞社 2014/11/25)