贄川俊 大西史晃 東郷隆
2014年11月26日09時04分
衆院解散に踏み切った安倍晋三首相だが、9月に発足した改造内閣では「政治とカネ」の問題が相次いだ。今のところ選挙の争点となる気配は薄く、課題はなくなったかのようだ。しかし現職の閣僚から政務官まで、政治資金収支報告書を見直すと、なおも新たな疑問が浮かんでくる。
■懇親会など差額350万円
小渕優子氏が10月に経済産業相を辞めたのは、後援会主催の観劇会をめぐる収支が発端だった。会費収入より大幅に支出が多く、公職選挙法が禁じる有権者への「寄付」にあたるのでは、との疑問が生じた。
御法川(みのりかわ)信英・財務副大臣の資金管理団体「経済調査会」の2010~12年の政治資金収支報告書には、地元・秋田での「懇親会」や「ゴルフ大会」などで、総額約810万円を払った記載がある。だが、対応する収入は見当たらない。
御法川氏の事務所は「会費を集め、『党費または会費』の欄にまとめて記入した」という。この欄には10年に約106万円、11、12年に各約178万円の記載がある。すべてが会費収入だとしても計約460万円。支出との差額は350万円近い。事務所は「会場代など一部は負担したが、『寄付』にあたる支出はない」と説明している。
大塚高司・国土交通政務官が支部長の「自民党大阪府第8選挙区支部」は、12年2月末に開いた「早春を楽しむ集い」の収入を、収支報告書に載せていなかった。支出は豊中市の商工会議所の会場費や菓子代、女優の講師代など計6万5千円分の記載がある。大塚氏の事務所は、後援会の女性部の会合で「参加者一人あたり500円を徴収した」という。担当者は「参加人数やなぜ記載がないかも含め詳細は確認中。早急に調べて訂正したい」と話す。(贄川俊)
■キャバクラ?で情報収集
武藤容治・総務政務官の政治団体「自民党岐阜県第3選挙区支部」の収支報告書によると、11年5月20日、岐阜市の繁華街・柳ケ瀬にある飲食店で「会合費」1万3340円を支出。この店の店長は朝日新聞の取材に、「当店はキャバクラだ」と答えた。
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