ウイスキー市場が低迷を続ける中で、ニッカウヰスキーの「竹鶴」などが注目を浴びているのをご存じだろうか。
「そんなの知ってるよ。NHKの朝の連続ドラマ『マッサン』効果で、売り上げが伸びているんでしょう? どこかのメディアが報じていたよ」と思われるかもしれない。「マッサン」はニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝と妻リタの生涯を描いたストーリーで、百貨店やスーパーなどでは「ドラマを見て『竹鶴』を買いに来た」と指名買いする人の姿も見られるという。
確かに、よく売れている。「竹鶴」の2014年の販売目標をみると、前年比15.3%増の12万8000箱(1箱:8.4リットル換算)としていたが、ドラマの注目度が高まるにつれて売り上げは伸び、9月に40%増となる15万5000箱に上方修正した。しかし、海外に目を向けると、国内以上の盛り上がりを見せているのだ。
ニッカブランドのウイスキー輸出量をみると、2006年には1800箱に過ぎなかったが、2013年には7万6000箱に。この7年間に、輸出量は実に42倍ほど伸びているのだ。2014年の目標は前年比32%増の10万箱を掲げていたが、半年(1〜6月で同60%増)で軽く目標を超えてしまった。
「日本のウイスキーの父」と呼ばれている竹鶴政孝が生まれて、今年で120年。ニッカウヰスキーが北海道・余市に創業して、今年で80年。なぜ海を越えて、ジャパニーズウイスキーが注目されるようになったのか。その理由について、ニッカウヰスキーの販売やマーケティングを手掛けている、アサヒグループホールディングスの楫(かじ)恵美子さんに話をうかがった。
1934年、北海道余市郡余市町に「大日本果汁株式会社」を設立。1943年、NHKの朝の連続ドラマ小説「マッサン」のモデルになっている竹鶴政孝が社長に就任した。1952年、ニッカウヰスキーに商号変更し、本社を東京都中央区日本橋に移転。同年、港区麻布(現在の六本木ヒルズ所在地)に東京工場を設立した。
2001年、アサヒビールがニッカウヰスキーの全株式を取得。ニッカウヰスキーはアサヒグループの一員となる。
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