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<香港>デモ隊強制排除で衝突 逮捕者最大の80人

毎日新聞 11月25日(火)22時58分配信

 【香港・隅俊之】香港の次期行政長官選挙制度に反対する民主派の道路占拠で、九竜半島の繁華街・旺角(モンコック)の一部道路でバリケードなどを強制撤去した香港当局は25日午後、道路からデモ隊を強制排除した。しかし、これに抗議するデモ隊と警官隊が激しく衝突し、香港メディアによると民主派の立法会(議会)議員1人を含む80人の逮捕者が出る事態になった。旺角では残る幹線道路でも26日に強制撤去が行われる予定だが、強硬派が多い旺角のデモ隊の激しい抵抗が予想され、実際に執行できるのか不透明だ。

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 占拠活動が始まって以降、1日での逮捕者数はこの2カ月で最大となった。25日の強制撤去は、幹線道路に交差する道路の約50メートル部分で行われた。香港警察は強制排除の際に抵抗したとしてデモ参加者を次々と逮捕。道路は一部車線で車両の通行が再開された。

 だが、周辺道路では排除に反発するデモ隊が1000人以上に膨れあがった。計4000人の警官隊は催涙剤入りの放水スプレーを使うなどして鎮圧し、混乱が続いた。

 香港メディアによると、数百人のデモ隊が占拠を続ける幹線道路の約500メートルの区間では26日朝から強制撤去が実施される見通し。だが、25日の強制撤去に反発するデモ隊は幹線道路の脇道などにも集結しており、執行できない可能性もある。

 デモ隊の中心である学生団体と香港政府の対話は打ち切られたままで事態収拾のめどは立っていない。23日付の香港紙リンゴ日報は、占拠運動の発起人3人が12月5日に警察に出頭し、発起人グループの事務局も活動を停止すると報じた。発起人として占拠運動中止を打ち出す構えだが、占拠続行を望むデモ参加者もおり、民主派デモ隊の中で足並みの乱れが際立ってきた。

 香港政府ナンバー2の林鄭月娥(りんてい・げつが)政務官(閣僚)は25日、「学生たちが自ら占拠運動をやめることを提起するなら歓迎する。我々は強制撤去による衝突を望まない」と述べ、デモ隊が事態収拾に向けた決断をするよう求めた。

最終更新:11月25日(火)23時52分

毎日新聞

 

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