衆院選:「今のうち」なら勝てるのか自民 議席を予測

毎日新聞 2014年11月25日 13時00分(最終更新 11月25日 20時14分)

党派別獲得議席数予測
党派別獲得議席数予測
安倍首相の衆院解散表明の記者会見に見入る人たち。投票の行方は?=神戸市中央区の量販店で2014年11月18日午後7時26分、宮嶋梓帆撮影
安倍首相の衆院解散表明の記者会見に見入る人たち。投票の行方は?=神戸市中央区の量販店で2014年11月18日午後7時26分、宮嶋梓帆撮影

 安倍晋三首相の衆院解散でいよいよ選挙モードに突入した。長期政権を目指した「今のうち解散」なんて言われるが、野党の選挙準備が整わない「今のうち」なら、自民党は本当に大勝できるのか。5人の専門家に議席を予測してもらった。【小国綾子】

 ◇与党 懸念は国民感情 低投票率なら有利

 ◇野党 「時間ない」むしろ協力しやすく

 231−−。長年、議席予測に携わってきた政治学者で東海大名誉教授の白鳥令さんは、自民党の議席をこう予測した。今回の衆院選は1票の格差是正のための「0増5減」で定数が480から475に減る。自民党が60議席以上減らし、単独過半数の238をも割り込むなんてあり得るのか。

 「自民党が大勝した2012年衆院選でも、全有権者の中で自民の得票率は小選挙区で24.67%、比例代表で15.99%。比例で自民に入れたのは全有権者の6人に1人に過ぎない」と白鳥さん。「もしも今回、共産を除く野党が295小選挙区で選挙協力し、比例代表の統一名簿まで作るなら、自民は176、野党は257となります。統一名簿を作らず小選挙区だけで共産党を除く野党が選挙協力をし、関係野党票の70%を野党統一候補に集められれば、比例と小選挙区合計で自民232、民主111、維新の党53。『自民231』という予測数字は、このようなシミュレーションを基礎にしています。投票率も上がるでしょうから、野党の票は前回より増えるでしょう」

 一方、元共同通信で政治記者歴20年の政治ジャーナリスト、野上忠興さんは「各党の候補者が確定していない段階での正確な予測は難しい」と前置きしつつも、全選挙区の勝敗を予想した結果、絶対安定多数(委員長ポストを独占し委員も過半数を占める)の266とほぼ同じ「267」という数字にたどりついた。「党内では260をボーダーラインとする向きがあり、それを割れば安倍首相の責任問題に発展しかねません」

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「261」。「自民党幹部は『野党に風が吹こうと吹くまいと、うちは20議席は減らすだろう』と話している。野党協力が進まなければ276、逆に協力がさらに進めば252まで減らす可能性もあります」

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