ヘッジファンド関係者の家族は高額な贈り物期待するな
11月24日(ブルームバーグ):ヘッジファンド運用担当者の配偶者、子供たち、両親へ。今年のホリデーシーズンであなたの愛する人からの贈り物が大したものでなくても許してあげて下さい。
投資家は運用を委託するだけで資産の2%を通常の手数料として徴収されているが、ゴールドマン・サックス・グループの20日のリポートによると、S&P500種株価指数(配当 を含む)の今年これまでのリターンがプラス13%を上回っているのに対し、平均的なファンドはマイナス1%にすぎない。
今年のクリスマスの贈り物が靴下や防寒用の下着だけになるとは言わないが、3万5000ドル(約410万円)もするカクテル作りの装置や30万ドルのレースカー・セットのおもちゃを期待すべきではないだろう。
リポートによると、ヘッジファンドの株式に対する長期のエクスポージャーは10-12月(第4四半期)入りした時点で過去最高の54%に達したが、ヘッジファンドが重点投資した銘柄の問題点が明らかになりつつある。ヘッジファンドは一般消費財を扱う企業を引き続き選好し、組み入れ比率はネットで21%と、ラッセル3000指数 の比率を約8ポイント上回っている。しかし、これらの企業グループの2014年の騰落率はプラス5%と、同指数を構成する9業種の中で下から2番目だ。
ヘッジファンドのエネルギー関連株の組み入れ比率は14%と、ラッセル3000に比べて5ポイント余り高いが、パフォーマンスはマイナス1.7%と業種としては最下位だ。ヘッジファンドは逆にテクノロジーと公益事業、生活必需品のウエートが低いが、これらの業種は今年のパフォーマンスがいずれも市場平均を上回っている。
小規模企業に投資ヘッジファンドは小規模企業を選好していることも痛手だ。リポートによると、典型的なファンドでは資産の35%が、ラッセル2000指数 の構成銘柄だが、同指数は今年1.3%の上昇にとどまっている。
もっとも、悪いニュースばかりではない。ゴールドマンがまとめた人気の長期ポジションリストの追加資料によると、7-9月(第3四半期)に追加された銘柄は10-12月に入って平均16%上昇した。これらの銘柄には、ヤフーやユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス、アリババ・グループ・ホールディング、ビザが含まれる。
ゴールドマンのリポートは株式ポジションが総額2兆ドルに達する782のヘッジファンドが対象。2兆ドルの2%はそれでも400億ドルに相当する。今年のプレゼントが靴下だけだったとしても、最低でも「ロバートグラハム」の格子柄の靴下3足セット(85ドル)にはなるはずだ。
原題:Goldman Sachs Analysis Shows Hedge Funds Long and Not So Strong(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Michael P. Regan mregan12@bloomberg.net
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更新日時: 2014/11/25 13:51 JST