詐欺容疑:信用保証制度悪用し大手銀行から詐取…5人逮捕

毎日新聞 2014年11月25日 15時00分(最終更新 11月25日 22時26分)

 ◇被害は1億5000万円か 神奈川県警、残る1人も逮捕へ

 中小企業を支援する国の信用保証制度を悪用し、大手銀行から融資金を詐取したとして、神奈川県警は25日、横浜市緑区白山1、無職、坂本博光容疑者(65)を詐欺容疑で逮捕、同じ詐欺グループで韓国籍の横浜市中区弥生町、会社経営、金徳南被告(57)ら4人を同容疑で再逮捕した。グループによる詐取総額は約1億5000万円に上るとみられる。

 信用保証制度を巡っては、融資が焦げ付いても大部分が国費で補てんされるため、金融機関の審査が甘いとの指摘が絶えず、名古屋市や兵庫県などでも詐欺被害が発覚している。

 5人の逮捕容疑は、横浜市内に設立した運営実態のない印刷会社の運転資金名目で2010年9月と11年7月の2回、国の「セーフティネット保証制度」を使ってみずほ銀行に融資を申し込み、計約3500万円をだまし取ったとされる。

 セーフティネット保証制度は、都道府県の信用保証協会から認定を得られれば、金融機関から無担保で最大8000万円の融資を受けることができる。返済できない場合は同協会が全額弁済し、その原資の約9割は国費から支払われる。リーマン・ショックを機に国内のほぼ全業種に対象が拡充された。【松浦吉剛、水戸健一、大場弘行】

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