京都府向日市の無職、筧(かけひ)勇夫さん=当時(75)=を青酸化合物で殺害したとして、京都府警に殺人容疑で逮捕された妻の千佐子容疑者(67)。死後、勇夫さんの遺産の一部を相続したほか、周辺では他に3人の夫や内縁関係の男性と死別を繰り返しており、これまでに取得した遺産は1億円以上に上るとみられている。関係先から青酸化合物やオブラートなども押収された。「後妻」を生業としていた千佐子容疑者とはどんな女なのか。
知人らによると、千佐子容疑者は北九州市出身で、高校時代には手芸部に所属。若いころは女優の野際陽子似のかわいらしい容姿をしていたという。
同じ高校に通っていた60代の男性は「千佐子さんはかわいらしいことで有名だった。男受けする顔をしており、憧れていた男子生徒もいたと思う。卒業後は地元の大手銀行の支店に就職したが、銀行もあの容姿なので放っておけなかったのだろう」と振り返る。
20代のころに旅行で九州を訪れていた大阪府貝塚市の男性と知り合い結婚。夫婦で印刷会社を切り盛りしながら一男一女をもうけたが、男性は1994年に死亡した。
その後、2004年ごろに結婚した兵庫県西宮市の医薬品卸販売会社元代表の男性=当時(69)=が06年に死別。07年に結婚した大阪府松原市の農業男性=同(75)=も08年春に死亡するなど、周囲で不審な死が頻発していく。
筧さんとは昨年夏、奈良県内の結婚相談所を通じて知り合い、昨年11月ごろから同居。昨年12月、結婚から間もない死を不審に思った京都府警の捜査で一連の疑惑が浮上した。
これまでに4人の男性と結婚し、それぞれと死別したことになるが、このほかにも交際していた奈良県の男性や兵庫県伊丹市の無職男性(75)が死亡している。