米・黒人青年射殺:デモ暴徒化80人超逮捕 警官不起訴で

毎日新聞 2014年11月25日 20時59分(最終更新 11月26日 00時53分)

ヘルメットなどで身を固め、炎上する警察車両のそばを進む警察官ら=米中西部ミズーリ州ファーガソンで2014年11月24日、ロイター
ヘルメットなどで身を固め、炎上する警察車両のそばを進む警察官ら=米中西部ミズーリ州ファーガソンで2014年11月24日、ロイター

 【ニューヨーク草野和彦】米中西部ミズーリ州ファーガソンで今年8月、黒人青年のマイケル・ブラウンさん(当時18歳)が白人警官に射殺された事件で、同州セントルイス郡の大陪審が24日、「起訴に相当する理由がない」として警官の不起訴を決定、これに反発する抗議デモが起きた。一部が暴徒化し、ファーガソンや周辺で建物十数棟や駐車中の車に次々と放火した。

 8月の事件直後にも暴動が起きたが、警察によると、今回は当時を大きく上回る被害規模となり、約150発の銃の発砲音も聞かれたという。死者はいない模様だが、AP通信によると少なくとも14人が負傷した。

 商店への略奪も続発し、警察は催涙弾などで対処、80人以上を逮捕した。州外から流入した「扇動者」(地元警察)が過激な行動を主導したとの見方がでている。

 オバマ大統領は24日夜、声明で不起訴決定を受け入れるよう訴える一方、「ファーガソンの状況は米国が直面する問題を物語っている。法執行機関と有色人種の間に深刻な不信がある」と指摘した。今回の不起訴決定を受け、ニューヨークやサンフランシスコなど大都市で平和的な抗議デモが広がった。

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