「僕らの一歩が日本を変える。」高校生100人×国会議員
本日3月28日、高校生の有志団体「僕らの一歩が日本を変える。」主催による「高校生100人×国会議員 Vol.2」(後援:文部科学省 尾崎行雄記念財団)が、衆議院第一議員会館で開催された。この団体の創設者、青木大和氏は現在、法政大学第二高等学校3年生。15歳で単身オバマ政権誕生時のアメリカに渡り、現地高校生の政治意識の高さを実感、発足につながったという。「10代の政治関心の向上、及び政治参加の拡大」を活動理念とし、青木氏を中心とした高校生11人が集まり活動を開始、昨年の夏には、高校生100名と国会議員との討論イベントを開催、各種メディアの注目を浴びた。
今回の開催は、1回目終了直後から準備を始めたという。参加した高校生は、前回 より地方参加者が増え、北海道から沖縄までの現役高校生100人、そして国会議員32名(予定)。取材メディアも30〜40社にのぼり、ニコニコ動画でも中継、コメント数も2万件を越え、前回同様、注目度の高いイベントとなった。
国会議員と昼食会
10時の開会式では、まず青木大和氏が挨拶。続いて、自民党の石破茂議員をはじめ、細野豪志議員(民主党) 、山口那津男議員(公明党) 、松田公太議員(みんなの党)、山下よしき議員(共産党)、福島みずほ議員(社会民主党)や 生活の党の小沢一郎議員が「今、若者に一番伝えたいこと」を、それぞれ5分程度スピーチした。
12時頃からは、議員会館地下の食堂で、高校生が議員らと昼食会。蓮舫議員(民主党)、川田龍平議員(みんなの党)も加わり、6人がけのテーブルに議員一人を囲み、学生5人ほどが座った。弁当を食べながらの会話に、すぐに和やかな雰囲気が出来上がり、議員と学生双方から、打ち解けた笑い声が響いた。他にも多くの国会議員が駆けつけ、学生たちの輪に入り和やかな雰囲気の中で議論を交わしていた。
議員と高校生が一つの机で熱い討論
午後1時からは、2部構成の「テーマ別討論」と題し、教育(いじめ問題・高等教育)、福祉(税と社会保障)、メディア(インターネット選挙)、地方(地方・東北)、グローバル問題(貧困・グローバル化とは)、安全保障(日米関係・日中関係)という大枠6つ、全部で10のテーマから高校生達が一つを選択、10名づつ10チームに分かれて議員とともに討論を開始した。第1部では「問題発見」に焦点をあて、議員らと論点の知識詰め、アドバイスなどをもらいながら議論を展開。第2部では「問題解決」を目標とし、第1部で浮き彫りとなった論点に対する解決策、そのメリット・デメリットを出しあい、さらに妥協点の導き出しまでを行い、最後に各チームの高校生が壇上でプレゼンテーションをした。
「インターネット選挙」の討論を行ったチームでは、松井孝治議員(民主党)と松田公太議員(みんなの党)が加わり、ネット選挙に関して高校生達と議論を戦わせていた。
最後のプレゼンテーションで、「インターネット選挙」を選んだチームからは4名の高校生が発表を行い、問題解決として以下の2点をあげた。
- ①「情報格差をなくす」
- ②「情報操作をなくす」
引き続き、それぞれに対する具体的提案、メリット・デメリット、及び妥協案が以下のように提出された。
① では、SNSやTVによる情報共有、ツイートのみをずっと流し続ける放送局の開設、そしてデバイスの各家庭への配布を行う等。デメリットとしては時間、手間、コストがかかる点をあげた。
② では、SNS上のなりすましなど、情報の信ぴょう性をどのように維持し、高めるかという問題点に対して、各議員のツイッターのアカウントを所属政党と相互リンクする対策があげられた。デメリットとしては議員内でもツイッターを行なっている人といない人のバラツキがあり、発信者側の教育も必要であると結論した。
プレゼンテーションに対し、はたともこ議員(生活の党)から「ネット解禁は、本当に投票率向上につながるのか」と質疑が出されると、「選挙に行かないといわれる20代若者は、いわゆるネット世代。ネット上で議員の情報発信を見れば関心を持ち、やがて投票という行動につながるはず。結果として投票率全体の底上げになると確信している」と、壇上から力強く答えた。
今後、「僕らの一歩が日本を変える。」では、NPO化を視野に全国の学校における政治教育を推進していくという。
今日の主催者である高校生は、当然のことながら選挙権を持たない。参加した国会議員は、一様に驚いたようすだった。将来の日本を考えるとき、彼ら彼女らの声を無視するわけにはいかない。将来の日本を背負う世代の声を本気で聞き、政治を行うのは誰なのか。未来の有権者は、鋭い視線でこれからも政治家を見続けて声を発していくはずだ。
僕らの一歩が日本を変える(Facebook)
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(取材:横内陽子 写真:伏見瞳)