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放射線知識、英語版冊子に 南相馬ママの会

完成した英語版(右)

 南相馬市の市民団体「ベテランママの会」が作成した放射線を学ぶ冊子「福島県南相馬発 坪倉正治先生のよくわかる放射線教室」の英語版が、このほど完成した。国際交流団体や図書館などから引き合いがあり、発送作業を進めている。

 福島第1原発事故後、市立総合病院で内部被ばく検査に携わる坪倉正治医師による市民向け講話をまとめた日本語版と同じB5判20ページで、1万部を作成。同病院の推薦書にもなっている。
 放射線が細菌のように移らないことを紹介。内部被ばく検査では現在、ほとんどの市民から放射性セシウムが検出されていないことや、市内の学校や公園で外遊びをしても大きな被ばくの恐れがないことなどが記されている。
 原発事故後、「放射線が移る」といった偏見に福島県民がさらされたことがきっかけで、ことし夏に日本語版の冊子を作成。インターナショナルスクール関係者からの要望もあり、英語版も作った。
 「日本で暮らす外国人も母国の偏見にさらされている。そうした偏見の解消につながればいい」。同会代表で学習塾を経営する番場さち子さん(53)はそう願う。今月、福島県出身者らが集えるサロンを兼ねた塾「番来舎」を東京に開設。冊子を使った講演会なども企画する考えだ。
 「ベテランママの会」は原発事故後、南相馬市で子どもや母親支援の活動を続ける市民団体。
 同会は冊子の製作費として、1口1000円の寄付を募っている。連絡先は同会0244(23)3918。


2014年11月25日火曜日

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