現代ビジネスの記事がいろいろ論議を呼んでいるが、一つだけ間違いなくいえることがある。高橋洋一氏は(いつものように)嘘をついているということだ。彼は成長率について、こういう図を出している。

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上のグラフがどこから出ているのかわからないが、ここで彼が書いている内閣府国民経済計算でないことだけは間違いない。そこには次のような図が出ているからだ。小黒一正氏も指摘するように、昨年10~12月期はマイナス成長であり、今年の1~3月期が駆け込み需要による特異データだったのだ。

キャプチャ

高橋氏の図は4~6月期より7~9月期のほうが大きく落ちており、何か別のデータを取り違えたのかもしれないが、内閣府のどのデータとも対応しない。このでたらめな数字をもとにして、彼はいつもの「財務省からのアメを失った増税派の遠吠え」がどうたらいう陰謀論をくり返す。

高橋氏が経済産業研究所で私の同僚だったときは、普通の財務官僚と同じ「財政タカ派」だった。青木昌彦氏の編集した『日本の財政改革』の第3章を読めばわかる。それがおかしくなったのは、みんなの党のブレーンになってからだ。

私もみんなの党の勉強会に呼ばれたが、「リフレは経済学界でも否定された話なのでやめたほうがいい」と渡辺喜美氏に言った。しかし彼は高橋氏に洗脳され、みんなの党はボロボロになってしまった。

その後、窃盗事件で職を失ったあと、高橋氏は決定的におかしくなった。生活のために嘘をつくのはしょうがないが、それが国政を巻き込むのは重大な問題だ。これ以上はいわないが、彼には治療・入院をおすすめする。