こんにちは、ほそいあやです。
ベトナムの食べ物といえば、フォー、生春巻き、バインミー(サンドイッチ)など、魅惑的なものが沢山ありますね。
今回は、少しハードルの高いベトナムフード「ホビロン」についてのお話です。
ホビロンは、孵りかけのアヒルの卵をゆでたもの。
地元の人たちのソウルフードです。
漫画『美味しんぼ』などでも取り上げられているので知っている人も多いかもしれませんね。
屋台の店先の鍋でゆでられていることが多く、値段は一個20〜30円くらい。
「蓼(タデ)食う虫も好き好き」の諺でおなじみのタデの葉っぱと、ライム、塩が添えられています。
お湯から上げたばかりの状態なので、あつあつ。
つゆだく状態なので注意しながら殻を剥きましょう。
上の写真くらい剥いたら、スープを飲んでください。
おいしい卵スープ……ではなくすでに鶏のスープです。
中身です。もう白身と黄身ではなく、アヒルの胎児となっております。
このまま塩やライムをかけてかぶりつきます(無理!と思う人は、テキーラだと思えば抵抗も薄れるでしょう)。見た目はグロテスクだけど、卵と鶏肉の中間の味で、それはそれはおいしいのです。
スープをたっぷり含んだジューシーな身のなかに、くちばしや足も確認でき、その部分はサクサクした歯ごたえ。一個で色々な食感が楽しめます。
栄養価は非常に高く、妊婦さんが滋養のために食べたりするそうです。
ひとつの卵に詰まったひとつの命。その感覚を身をもって体験できるのもホビロンならではだと思うのです。
一度食べると虜になってしまう卵。私もハマってしまった一人なのですが、日本では食べられるお店は見た事がありません。これだけベトナム料理店が林立しているのに!
わかっています、味がおいしくてもビジュアルがマズいのは。
日本に帰ってからはホビロンに恋い焦がれ、枕を濡らす日々が続きました。
しかしある日、上野のアメ横で見たという情報を入手。なるほど、あの多国籍タウンにならあってもおかしくない。
アメ横センタービル地下の食料品売り場にありました。「BALOT(バロット)」と記されていますが、これはフィリピンでいうホビロンのことで、ほぼ同一のものです。
他にも、大田区蒲田のベトナム人街などでも手に入る場合があるようです。日本ではベトナム料理店ではみかけないけど、食材店では売られているのですね。
店員さんに、売れてるんですか?ときくと、「たまにフィリピン人の留学生が祖国を懐かしんで買って行くくらいだね〜」とのこと。
それはあまり売れ行きがよくないということだよな。
うっすら青みがかっています。こういう高級な卵があったような気が。
このままだと冷たいので、適度にゆで直して温めます。
殻を剥くと、やや育っているタイプでした。
目が合う!
育っているタイプは羽毛が多く、現地でも通好みとされているようです。
確かにちょっと口にひっかかる感じがあります。
しかし、しかし。
それ以前に大きな問題がありました。
現地のものより、生臭いのです。
海を越えてきているので当然といえば当然だけど、どうやらこれに関しては当たりはずれがあるようです。
実は以前同じところで買ったことがあるのですが、その時は臭みもなくおいしく食べられたし、今回はハズレかな…?
そこで、あん肝風にしてみました。
ネギ・もみじおろし・ポン酢のおかげで臭みがやわらぎました。
そして最大のネックとなっている見た目のグロさもごまかせました。
まさに一石二鳥。
実際、一緒にベトナムでホビロンを食べた友人に何も言わずに上の写真を送り付けたところ、見事にあん肝だと思ったようです。
今度家に人を招いたら、あん肝スタイルで出してみるつもりです。
栄養もあって、とってもおいしいホビロン。
見た目が大丈夫な人はそのまま、見た目が耐えられないという人はあん肝アレンジで、ぜひ一度お試しください!
プロフィール
ほそいあや
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