西山良太
2014年11月25日16時17分
大阪市西成区の路上生活者らが、振り込め詐欺などの犯罪に悪用される「飛ばし携帯」の調達手段として狙われている。見知らぬ男に誘われて6台の携帯電話を契約し、多額の請求で自己破産した男性が、朝日新聞の取材に語った。
■報酬2万円6台契約→100万円の請求書
日雇い労働者が集まる西成区あいりん地区。そこに住む男性(64)は、路上生活をしていた昨年3月、大阪・ミナミの道頓堀川近くの路上で、ファストフード店の残飯のハンバーガーを食べていたとき、見知らぬ男から声をかけられた。
「おやじさん、2万円やるから名義を貸してくれんか。携帯を契約したい」。背が高く、ジーンズにジャンパー姿。50代くらいの普通の中年男に見えた。
男性は青森で生まれ、千葉で40年ほど暮らした。建築業が失敗し、億単位の借金を抱え、妻子は出て行った。日雇い労働で食いつないだが、50代後半になると高血圧を理由に雇ってもらえなくなった。関東を転々とし、名古屋を経て、大阪に流れ着いた。
道頓堀で声をかけられたとき、手元の所持金は1500円。男の誘いに乗ると別の男3人に車に連れ込まれ、「住民票と公共料金の証明書が必要や。身分証明書はあるか」と言われた。
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朝日新聞社会部
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