自治体発「美しすぎる映像」再生100万回 鹿児島県
qBiz 西日本新聞経済電子版 11月25日(火)11時2分配信
地方自治体が観光PRの動画をつくることは珍しくない。だが、その質や効果となると、目立ったものがなかなか見当たらない。10月18日から鹿児島県が始めた動画キャンペーンはその点、ともに飛び抜けている。
※「動画はこちら」
キャンペーンは「KAGOSHIMA Enerjetic Japan」。特設サイトや動画を見れば分かるが、完全に外国人向けで、英語や中国語、タイ語に対応している。
他の動画キャンペーンにはない特徴がある。有名人も、モデルも、音楽も、そしてナレーションすらないのだ。広告に付きものの「演出」を完全に排除している。波の音、川のせせらぎ、祭りのざわめき、セミの鳴き声…。共通しているのは、映像がすべて「旅人目線」ということだ。視聴者は知らず知らず、そこを訪れている感覚になる。撮影者が歩く音まで、心地よい。
これまでに祭りや風景、食材などをテーマにした12本の動画とダイジェスト動画をインターネットで公開しているが、約1カ月だけで再生回数は合計100万回を超えている。数万回再生されれば合格点とされるPR動画では珍しい人気ぶりだ。動画を公開している公式ユーチューブページを見ると、コメント欄には海外からと思われる称賛の書き込みが目立つ。
12本の動画で特に人気なのが、再生40万回を超える「PERFECT SUNSET」。ウミガメの産卵でも知られる屋久島のいなか浜。夕日がゆっくり沈み、暗闇になっていくまでを約1時間、ずっと流しているのだ。
美しさが際立つ映像は、最新の高画質「4K」の映像機材で撮影。広告代理店と地元鹿児島出身のプロデューサーが、世界の街並みを撮影した「WORLD―CRUISE」で知られる長崎県出身の映像作家、永川優樹氏の起用を提案し、コンペで採用された。
動画は今年8月から約3カ月間かけて撮影された。今後も撮影を行い、来年3月までに合計20本以上を公開、最終的に中国やタイ、米国など向けに30秒CMも製作する。外国人観光客の誘致や県産品の輸出を後押しする強力なコンテンツとなりそうだ。
鹿児島県かごしまPR課の豊川善規係長は「キャッチコピーのように『本物』の、ありのままの美しい鹿児島が評価されている」と手応えを感じているが、副次的な効果もあった。地元在住者や出身者から「映像を見てあらためて鹿児島の良さに気付いた」という反応が多く、「地元の郷土意識が高まっているのがさらにうれしい」と話している。
西日本新聞社
最終更新:11月25日(火)13時6分
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