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米国防長官「更迭」で安保政策に影響も
11月25日 12時23分

アメリカのオバマ大統領はへーゲル国防長官が辞任することを発表し、体制を立て直すため事実上の更迭に踏み切ったとみられていますが、政権内の意見対立が露呈した形で、今後の安全保障政策に影響を及ぼすことも予想されます。

オバマ大統領は24日、声明を発表し、ヘーゲル国防長官が辞任することを明らかにしました。
アメリカでは今月4日に行われた中間選挙で、イスラム過激派組織「イスラム国」への対応など安全保障政策への批判が高まり与党・民主党が大敗したことから、オバマ大統領としては、体制を立て直すため事実上の更迭に踏み切ったとみられています。
ヘーゲル長官は、シリアのアサド政権に対する戦略を巡ってホワイトハウスとの間で意見の違いがあったとされています。
また、野党・共和党の有力議員は、ホワイトハウスが国防総省の政策立案などに細かく介入し、ヘーゲル長官が不満を募らせていたと明らかにするなど政権内の意見対立が露呈した形です。
ホワイトハウスのアーネスト報道官は記者会見で、オバマ大統領が速やかに後任を指名するとしていて、国防総省の元高官らの名前が取り沙汰されています。
しかし、共和党が攻勢を強めるなか、後任の人事が議会上院で承認されるまでに時間がかかるおそれもあり、今後の安全保障政策に影響を及ぼすことも予想されます。

米専門家「イスラム国への対応巡り対立か」

ヘーゲル国防長官が辞任することについて、安全保障政策が専門のヘリテージ財団のジェームズ・カラファノ副所長は「イスラム過激派組織『イスラム国』への対応を巡って、ホワイトハウスと国防総省の間で深刻な対立があった」と指摘したうえで、「ヘーゲル長官は、重要演説をこなしたり、新しいスタッフを採用したりしたばかりで、辞職を申し出るような兆候はみられなかった。更迭されたと考えるのが妥当だ」と分析しています。
また、カラファノ氏は「ヘーゲル長官は共和党出身であり、オバマ大統領の側近チームの一員ではなかったので更迭されたとしても驚かない」としたうえで、「オバマ大統領の政権運営は閉鎖的で、ごく一部の側近とだけで重要な判断を下しており、それが、ほかの閣僚とのあつれきを生んでいる」と述べ、オバマ政権の政策決定の手法に懸念を示しました。

菅官房長官 ガイドライン見直しに影響なしの見方

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「日本政府としては、ヘーゲル国防長官が2度の訪日を含めて、日米同盟の強化、アジア太平洋地域の平和と安定に尽力をしてこられたことに心から感謝を申し上げたい。わが国にとっては日米同盟は極めて重要であって、今後とも、アメリカと緊密に連携し、強固な日米関係を構築していきたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインの見直しなどへの影響について、「後任の国防長官が就任するまでヘーゲル長官が主導していくのだろう。去年10月に決定したスケジュールの下で、ガイドラインはしっかりと作業が進められていくと思う」と述べました。

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