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海外サッカーコラム
リラックスした表情でインタビューに応えてくれたロッベン。度重なる故障を乗り越え、彼のドリブルと得点能力は磨きがかかる一方だ。
photograph by Shin Toyofuku
サッカーの尻尾

「カットインのポイントはふたつある」
ロッベンが語る“必殺”のドリブル論。

豊福晋 = 文

text by Shin Toyofuku

photograph by Shin Toyofuku

 アリエン・ロッベンを初めて生で見たのは、彼がPSVからチェルシーに移籍した年のことだから、今から10年ほど前になる。

 小さくてひょろりとした青年は、ドリブルひとつでイングランドを席巻していた。

 あの細かいステップについていけるディフェンダーはおらず、プレミアのピッチの上を生き生きと駆け回った。元気なオランダのウインガーがまたしても出てきたものだと、かの国のウイング文化に感心したものだ。

 それから時が経ち、ユニフォームの色は2度かわり、彼は10歳年を重ねた。来年の1月には31歳になる。

 しかし今、そのドリブルの勢いは弱まるどころか、よりスケールアップしているように見える。

「31歳というのは、普通はベテランという年だ。ただ、僕はウインガーとして今も成長を続けている。そんな実感がある」

 バイエルンの練習場、ソファに深く腰掛け、ロッベンはそう言った。

 キャリアのピークにいる、恐らくは世界最高のドリブラーに聞いた。ドリブルと共に歩んできた10年間。利き足とサイドの関連性。そしてグアルディオラについて。

「今考えているのは、完全に中央へいくことだ」

――今回は、ドリブルと利き足についての話を聞かせてください。10年前と比べ、あなたのドリブルに関して何か変わったことはありますか?

「今ではウインガーとしてプレーするときは、完全に右サイドに固定されるようになった。サッカーは変わっていく。10年前、もっというと15年前までは、右利きの選手は右サイドに、左利きの選手は左サイドに置くのが普通だった。

 その頃までは、それぞれのポジションの選手の役割がはっきりしていたんだ。ウインガーは縦へのドリブルを仕掛ける。フォワードは中で合わせる。でも時が進むに連れて、そんなポジションの概念が薄れ、色んなことが要求されるようになっていった」

――時代の流れと共に、ロッベンという選手に求められるものも変わっていった?

「そうだね。以前は右サイドから中央へ切れ込んでシュートに持っていくプレーは、今ほど多くはなかった。より縦を意識していた時期もある。でも今考えているのは、完全に中央へいくことだ」

――チャンピオンズリーグ、オリンピコでのローマ戦(ロッベンは右サイドから2得点)の2点も、「右から中」という形で決めています。

「あれは自分らしいゴールだった。特に1点目は気に入っている。あれこそが、典型的な僕の形だから」

【次ページ】 「こうしようと考えて準備することはほとんどない」

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