■何がいけなかったのか?
これは一体何がいけなかったのだろうか。誰かを傷つけたわけでも無い。強いて言えば与党に対して攻撃的な内容にはなっているかもしれないが、誰かが迷惑を被るわけでもない。Twitterでも民主党の裏工作だという発言は見て取れたが、現在の議席数において、インターネット人口の投票数から考えてもこのようなサイトを作ったところで大きな変化が起こるとは思えない。つまりは内容的に突っ込まれる要素がなかったと思われる。それよりも争点になったのは、小学4年生が作ったと嘘を語ったという点にある。だが、私としてはこれもマーケティングの一環であるのは想像出来るだろうから、愛してあげれば良かったのではないかと思う。
同じようなことをしている人は他にも居る。自分の娘の名前を語って執筆しているプログラム系の作者もいるし、それこそ「ふなっしー」も「くまモン」にも中の人はいるわけだ。Twitterアカウントの中の人など居ないというのは暗黙の了解であって、突っ込んではいけない。
■それよりもTehu君の技量がすごい
それよりも今回の「炎上」により改めて彼が天才であり、素晴らしい技量の持ち主だという事がわかったという点だ。過剰演出であったにしろ、Twitterでは本当に小学4年生がこんな高度な事やるんだったら人月単価が下落するからかんべんして欲しいという声も聞こえていた。実際は20歳あたりの若者が一晩で作り上げたわけであるのだが、それでも10代の若者が単価下落は必至である。もちろん彼は天才であり、技術だけでなく演出面や青木氏のプランを意識したデザインを提示しているわけで、確かに彼には人月300万ぐらい払わないとダメかもしれない。もちろん、1人日15万と考えると非常に安い。こういうタイプは人月で算出するのではなく技術を評価し支払う必要がある。(もちろん、人月300万の価値はわかっていっている)
今回は炎上という結果にはなってしまったが、普通の人なら評価もされないわけであり、何かと話題になるというのは彼の先見性と才能がゆえとも言える。しかし、彼はその力の使い方を間違えてしまうと違う方向に行ってしまうと云うことも露呈してしまったのは残念である。だが、まだ彼は20歳程であるから良い大人が導いてあげる必要がある。
■それよりも問題は大人たちにある
それよりも、ずっと根深いのが大人たちによるバッシングだ。確かにNAVERまとめにキュレーションされたTwitterのコメントを見るとよく調べたなと関心はするが、いくつかは嫉妬心から言っているようなところもある。また、様々なブログでは子供をダシにするあざとさが気に食わないという意見も多い。それは否定すべきことではなく、確かにそのとおりだと思う。だが、この話はこれまでにすべきだというのも事実だ。何故なら、彼らは既に大いに反省しており、数々のバッシングの中でも今自分たちが取れる最大限の行動をとったわけであり、大人たちがあーだこーだと言い続ける必要性は無い。
甘いと言われるかもしれないが、私はちゃんと反省するのであれば許すタイプである。全く反省せずに突き進むような輩にはそれ相応の対応をとっており、線引はきっちりしている。また彼がどのような人間かも昔から見ているのである程度は理解しているつもりであり、魔女狩りをし続けるのは良くない。
■炎上が良いのか悪いのか
今回はTwitterの運用がうまく行かず、演出が失敗したため炎上したが、最初から炎上を狙うマーケティングも美しくはないが存在はする。また、問題提起であるならば、そもそも喧嘩上等が大前提であると思う。少しのバッシングに屈しないだけの、バックボーンと精神力があったら良かったかもしれない。戦うことは悪いことではない。ただ、戦い方と自分たちのポジションニングを明確にし、しっかりとした体制を組んでから挑んでも良かったのかもしれない。やりたいこと自体は、そこまで間違ってはいないと思うため、「小学4年生の提言」から「大学生の提言」と直して、素直に再開してもよいと思う。
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川合雅寛 クロスリバー株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
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