佐村河内氏:代作で全国ツアー中止 6100万円賠償提訴
毎日新聞 2014年11月25日 10時45分(最終更新 11月25日 11時52分)
◇大阪市の音楽興行会社、14公演中止で損失
「全ろうの作曲家」として活動した佐村河内(さむらごうち)守氏(51)が楽曲を他人に作らせていたことが発覚し、全国ツアーが中止に追い込まれたとして、大阪市の音楽興行会社「サモンプロモーション」が佐村河内氏に約6100万円の賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。25日の第1回口頭弁論で佐村河内氏側は全面的に争う姿勢を示した。
佐村河内氏の代理人弁護士によると、このゴーストライター問題で佐村河内氏自身が提訴されるのは初めて。
訴えによると、原告は昨年から、佐村河内氏の楽曲を演奏する全国ツアーを企画していた。しかし、今年2月に佐村河内氏から代作だったと知らされ、2〜5月の14公演を中止した。「寝耳に水だった。客の反応や社会通念を考え、公演は中止せざるを得なかった」とし、ツアー中止に伴う損失などの賠償を求めている。
佐村河内氏側は請求棄却を求める一方、具体的な主張は次回以降に明らかにする考えを示した。
佐村河内氏は「交響曲第1番 HIROSHIMA」などを発表、CDはクラシック音楽で異例の売り上げを記録した。しかし、2月に大学非常勤講師(当時)の新垣(にいがき)隆氏(44)が「曲を代作していた」と明かした。【服部陽】